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米財務長官「韓国との貿易交渉、最終段階に入った…トランプ大統領の訪韓時に発表」

登録:2025-10-16 06:29 修正:2025-10-16 07:17
スコット・ベッセント米財務長官がワシントンD.C.の連邦準備制度理事会(FRB)で開かれたある行事で発言している/EPA・聯合ニュース

 韓国政府は今月末の慶州(キョンジュ)アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議を控え、大統領室政策室長、企画財政部長官などを同時に米国に送り、集中協議に乗り出す。APEC首脳会議を機に米国との関税交渉を最終妥結するために、総力戦を繰り広げる様子だ。スコット・ベッセント米財務長官も「韓国との貿易交渉は最終段階に入った」と述べ、詰めの交渉に関心が集まっている。

 15日、大統領室と産業通商部によると、キム・ヨンボム政策室長とキム・ジョングァン産業通商部長官は米国との関税交渉後続協議のため、16日に出国する。カン・ユジョン大統領室報道官は会見で「キム政策室長は関税交渉と関連した金融パッケージ協議のためハワード・ラトニック(米商務)長官と会談する」とし、「米国政府の責任ある役割をする方々との面会も予定されている」と述べた。

 これに先立ち、ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官とヨ・ハング通商交渉本部長が米国に向けて出国した。彼ら4人は8月末の李在明(イ・ジェミョン)大統領の訪米当時、関税交渉を主導した人物で、3カ月ぶりに4人そろって再び訪米し、詰めの協議を行う予定だ。ク副首相はこの日、仁川空港で記者団に「ぎりぎりの会議日程の中でも、米国財務長官に何度も会うことになりそうだ」とし、「韓国の状況をよく説明する」と述べた。

「主要20カ国・地域(G20)財務長官・中央銀行総裁会議」と「IMF・世界銀行年次総会」に出席するため、ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官が15日、仁川国際空港第2旅客ターミナルを通じて米国ワシントンD.C.に向け出国している/聯合ニュース

 政府は、APEC首脳会議の前に米国との関税交渉を最終的に妥結するという目標を立てている。李在明大統領が29日に訪韓するドナルド・トランプ米大統領に会い、最終的に決着をつけるということだ。政府は交渉の最大の障害物である3500億ドル規模の対米投資ファンド組成・運用に関する意見の相違を解消し、交渉妥結条件を確実に用意する方針だ。米国は3500億ドル全額の直接投資を要求しているが、韓国は外国為替市場の衝撃などを懸念し、直接投資の比重の調整と無制限通貨スワップ協定の締結などを提示している。

 膠着状態に陥った交渉に、最近進展があったものとみられる。キム政策室長はこの日公開されたユーチューブチャンネル「3PROTV」のインタビューで、「両首脳の会う機会が頻繁に訪れるわけでもないため、APECが実質的に(交渉妥結の)大きな目標」だとしたうえで、「ここ2週間で米国は我々の送った修正代案に対して非常に意味ある反応を示し、米国側から新たな代案が示された。有意義な進展があった」と述べた。ウィ・ソンラク国家安保室長も同日の記者懇談会で、「これを機に実質的な進展を成し遂げるための取り組みの一環として、代表団が訪米する」と述べた。

 その後、ベッセント財務長官も15日(現地時間)午前、CNBCの番組に出演し、「ドナルド・トランプ大統領のアジア歴訪期間に貿易関連の発表がある予定」だとし、「韓国との貿易交渉は最終段階に入っている」と述べた。

 双方から交渉結果に対するポジティブな期待を膨らませる発言が相次いでいるが、結果を予断することは難しい。ウィ室長は「(キム長官の訪米当時)互いの立場についてやり取りしたのは事実だが、まだ何らかの接近があるわけではない」とし、「互いの考えをもう少し知るようになった程度であり、それをもとに我々は我々なりに、あちらはあちらなりに再び立場を整理し、何か模索してみようということだ」と述べた。

 大統領室報道官室でも同日夜、ベッセント長官のインタビューが報道された直後、「キム政策室長らのワシントン訪問日程を通じて、関税交渉の実質的な進展のために最善の努力を尽くす」としながらも、「これまで強調してきたように、時限を設けて急ぐよりは、国益を最優先する原則に基づき米国側と協議していく」という立場を繰り返し示した。

シン・ヒョンチョル、イ・ボニョン、チョン・ユギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1223632.html韓国語原文入力:2025-10-16 01:02
訳H.J

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