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ベンツで天安門に到着した金正恩委員長…式典中は常に習近平の隣で「手厚いもてなし」

登録:2025-09-04 07:24 修正:2025-09-04 10:29
ロシアのプーチン大統領(左から)、中国の習近平国家主席、北朝鮮の金正恩国務委員長が3日、天安門広場前で開催された戦勝節80周年記念式典で、肩を並べて歩いている/AP・聯合ニュース

 2023年9月のロシア訪問以来、2年ぶりに外遊に出た金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長の一挙手一投足に注目が集まっている。

 中国の「戦勝節」80周年記念式典に出席するため、2日に専用列車で北京入りした金委員長は3日午前9時18分(現地時間)、式典の行われる北京の故宮博物館(紫禁城)内の端門前で黒い防弾リムジンを降りた。リムジンは専用列車で運んできた専用車、ベンツのメルセデス・マイバッハとみられ、金委員長が乗ったと推定される車のナンバーは「7・271953」だ。朝鮮戦争の休戦協定が締結された1953年7月27日を意味するとみられる。北朝鮮はこの日を、米国との戦争で勝利した「祖国解放戦争勝利記念日」としている。金委員長が昨年8月に平安北道義州(ウィジュ)の水害現場を訪問した際にとらえられたベンツのSUVのナンバープレートも、この数字だった。

 この日の軍事パレードの会場で、金委員長は人民服姿ではなく黒いスーツ姿だった。2日に娘のキム・ジュエさんと共に北京に到着した際には黒いスーツに赤いネクタイ姿だったが、この日はスーツに金色のネクタイを着用し、左胸には戦勝節80周年を記念する金色のバッジをつけていた。中ロの首脳と肩を並べて「普通の国」の指導者のイメージを強調したと分析される。ただし、複数の首脳が配偶者と共にレッドカーペットを踏んだのとは異なり、金委員長はこの日、配偶者のリ・ソルジュ女史や同行したジュエさんと共にいる姿を見せなかった。

 金委員長に対する中国側の礼遇は格別なものだった。中国官営の中国中央テレビ(CCTV)は、金委員長が車から降りる場面から会場入りする様子まで中継で伝えた。レッドカーペットの上で金委員長を迎えた中国の習近平国家主席は、両手で金委員長の手を包み込むように握って友愛を誇示し、式典のあいだ中、金委員長をすぐ隣に立たせていた。前日に金委員長が北京に到着した際にも、序列5位の中国共産党中央書記処の蔡奇書記をはじめ、王毅外交部長(外相)ら、複数の幹部が金委員長を出迎えた。

 一方、金委員長は過去の北京訪問時、中国政府の公式の迎賓館である釣魚台に宿泊したが、今回の訪問では北朝鮮大使館に滞在していると推定される。北京の北朝鮮大使館は金委員長の訪問を念頭に、今年初めに補修作業をおこなっており、最近まで施設の改装をおこなっていたという。現在、厳重な警戒が行われている北朝鮮大使館とは異なり、釣魚台周辺は相対的に閑散としていることも、その根拠とされる。

オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1216773.html韓国語原文入力:2025-09-03 17:24
訳D.K

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