本文に移動

写真を見れば幸運?存在自体が幸運…コスタリカ「金色サメ」の秘密

登録:2025-08-23 09:55 修正:2025-08-23 11:35
Parismina Domus Deiのフェイスブックより//ハンギョレ新聞社

 コスタリカの海で発見されたオレンジ色に光るサメの正体が明らかになった。

 国際学術誌「海洋生物多様性」(Marine Biodiversity)8月号に掲載された論文によると、昨年8月にコスタリカのトルトゥゲーロ国立公園近海で捕獲された「コモリザメ」(Nurse Shark)を研究したところ、このサメが黄色変色症(キサンチズム)と白色症をあわせ持つ貴重な個体であることが明らかになった。

目の色が白く、虹彩がみられない=Parismina Domus Deiのフェイスブックより//ハンギョレ新聞社

 当時、このサメは趣味の釣りをしていた2人の男性が投げ込んだエサに食いつぎ、2人はサメを近くに引き上げて撮影した後、釣り針をはずした。研究チームは、この写真をもとに研究を進めた。写真に写っている2メートルほどの長さのコモリザメは、一般的な砂色ではなく、全身がオレンジ色になっている。目も青白く、虹彩は確認できない。

Parismina Domus Deiのフェイスブックより//ハンギョレ新聞社

 研究チームは、黄色変色症と白色症が同時に表れる事例はきわめて珍しいと述べた。コモリザメはカリブ海全域に広く分布しており、絶滅危惧種に分類されておらず、ごくありふれたサメだ。このサメの組織検体を採取して遺伝子検査を実施できなかったため、正確な原因の把握は困難だったと研究チームは述べた。

 研究チームは「コモリザメの種に完全な黄色変色症が発生したことが科学的に確認された初めての事例」で、「カリブ海でも最初の記録」だと述べた。また、「黄色変色症と白色症は、捕食者に容易に見つかるなど、生存上の不利益を及ぼすが、2つの条件をともに持っているサメが成体にまで育ち、これまで生存してきたことは、海洋生態系内の遺伝的多様性と適応力についての示唆を与えた」と説明した。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1214295.html韓国語原文入力:2025-08-20 20:15
訳M.S

関連記事