株価操作、違法な政治資金および金品の受け取りの疑いが持たれている尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の妻のキム・ゴンヒ女史が拘束された。「キム・ゴンヒ特検法」に則って特検が捜査を開始してから41日での拘束だ。尹前大統領に続いてキム女史までもが拘束されたことで、憲政史上初めて前職の大統領夫婦が同時に収監されるという記録を残すことになった。
ソウル中央地裁のチョン・ジェウク令状専担部長判事は12日、キム女史に対する拘束前被疑者尋問(令状実質審査)の終了後、「証拠を隠滅する恐れがある」として拘束令状を発行した。キム女史は尹前大統領のいるソウル拘置所ではなく、ソウル南部拘置所で待機していたが、そのまま収監された。
瑞熙(ソヒ)建設のイ・ボングァン会長は前日、キム・ゴンヒ女史に「6000万ウォンのヴァンクリーフ・アーペルのネックレスを買ってあげた」という自首書と共に、キム女史から返却されてからは自身が保管していた実際のネックレスを特検に提出した。オ・ジョンヒ特検補はこの日のブリーフィングで、「瑞熙建設側が、尹錫悦前大統領の2022年6月のNATO会議出席時にキム・ゴンヒ氏が着用したヴァンクリーフのネックレスを交付したことを認める趣旨の自首書を提出した」と明らかにした。自首書には、イ会長の秘書室長の母親の名義で、ヴァンクリーフの店舗で「スノーフレイクのペンダント」を購入し、商品券で決済したという内容が記されていたという。特検チームはこの日のキム女史の令状実質審査でも、このような内容を詳しく説明した。
オ特検補は「(キム女史のネックレスの)返却時期は(高価なネックレスの着用が)多数の報道で問題化した後」だとして、「(この疑惑の捜査を求める)告発状が2022年9月に寄せられたが、(ネックレスの返却は)その後」だと語った。高価なアクセサリーの着用問題で財産申告漏れ疑惑が持ち上がったことで、キム女史はイ会長にヴァンクリーフ・アペールのネックレスを返却し、イ会長が今まで保管していた、との説明だ。
キム女史はこれまで、外遊の際に着用したネックレスは模造品だと主張してきた。実兄のキム・ジヌ氏の義母の自宅からは、実際に模造品が発見されてもいる。しかし、ネックレスの供与者のイ会長が自白したことで、キム女史の供述が虚偽だったことが明らかになったわけだ。特検チームは、すでに押収してあるヴァンクリーフ・アペールのネックレスの模造品とイ会長が特検に提出した本物をこの日、法廷で提示した。オ特検補は「キム・ゴンヒ氏をはじめとするすべての捜査関連者の捜査妨害、および証拠隠滅行為を明確に糾明する」と強調した。