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李大統領、「統合」掲げチョ・グク前野党代表を赦免…物議くすぶる

登録:2025-08-12 02:33 修正:2025-08-12 06:53
李在明大統領が11日、臨時国務会議を開くためソウル龍山の大統領室庁舎の会議室に入場している=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は11日、「祖国革新党」のチョ・グク前代表、「共に民主党」のユン・ミヒャン元議員、チョ・ヒヨン前ソウル市教育監ら政治家、経済人、労働界の関係者らを特別赦免した。李在明政権発足後初の特別赦免において、社会的に物議を醸した政治家を異例に大量赦免したのだ。来年の地方選挙を前に汎与党陣営の統合効果を考慮したとの分析が示されているが、野党はもちろん市民社会団体の一部からも「大統領の赦免権は腐敗と不正を覆い隠すためにあるものではない」との批判を浴びている。

 李大統領はこの日午後、臨時の国務会議を行い、法務部の赦免審査委員会の審査を通過した今年の光復節特別赦免の対象者リストを確定した。すでにチョン・ソンホ法務部長官が、「8・15光復節」を前にチョ前代表を含む83万6687人に対して15日付で特別赦免を実施することを表明していた。

 今回特別赦免された政治家と主な公職者は27人で、チョ前代表の他にも汎与党からはチョ・ヒヨン前教育監、民主党のユン・ミヒャン元議員、チェ・ガンウク元議員、キム・ウンギョン元環境部長官、ペク・ウォヌ元大統領府民情秘書官、シン・ミスク元大統領府均衡人事秘書官らが名を連ねている。「国民の力」からは元議員のホン・ムンジョン氏、チョン・チャンミン氏、ハ・ヨンジェ氏が赦免され、復権した。昨年12月に子どもの入試不正と大統領府監察もみ消しなどで懲役2年の実刑を言い渡されたチョ前代表は、残刑執行が免除されると同時に復権し、選挙に出馬できるようになった。チョ前代表の妻のチョン・ギョンシム元東洋大学教授も共に赦免された。

 また今回の特赦名簿には、朴槿恵(パク・クネ)政権時代に「国政壟断」に関与し、贈賄などで有罪となったサムスン電子未来戦略室のチェ・ジソン元室長(副会長)、同じく未戦室のチャン・チュンギ元次長(社長)ら16人の経済人が含まれており、労組活動や集会の過程で違法行為で処罰された建設労組や貨物連帯労組の組合員、露店商、農業者ら184人も含まれている。

 大統領室のカン・ユジョン報道官はこの日のブリーフィングで、「今回の光復節特別赦免の要となる基調は、違法な非常戒厳で高まった社会的緊張をやわらげること、低迷している経済を立て直す民生回復」だとし、「それに向けて、李在明大統領は各界各層の意見を傾聴し、熟考した」と述べた。チョ前代表ら物議を醸す政治家の赦免については、「今回の措置が対話と和解を通じた政治の回復の契機となるよう願う」と述べた。

 一方、野党はもちろん、進歩的な市民団体からも、政治家の赦免に対する批判の声があがっている。野党「国民の力」のソン・オンソク非常対策委員長兼院内代表はこの日、記者団に対し、「政権交代の褒賞としての赦免権の執行」だとし、「光復80周年の意味を色あせさせた最悪の政治赦免を国民とともに糾弾する」と述べた。

 経済正義実践市民連合もこの日の声明で、「赦免議論の対象となった政治家たちは司法手続きを経て刑が確定した人物たちで、特に子どもの入試不正などは今も社会的批判の対象」だとして、「国民統合という目標とは異なり、むしろ社会的批判と世論の分裂を招く可能性がある」と指摘した。

オム・ジウォン、コ・ギョンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1212754.html韓国語原文入力:2025-08-11 21:39
訳D.K

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