ソウル市松坡区(ソンパグ)のKSPOドーム(オリンピック体操競技場)に送られた爆破予告のファックスの番号が、今月初めの硫酸テロ脅迫と同じ番号であることが分かった。警察は、これらの事件が2023年から続いている日本の弁護士を騙るテロ予告事件と関連があるとみて、日本の捜査当局と捜査共助を進めている。
ソウル警察庁は11日、オリンピック公園のKSPOドームに送られた爆発物をしかけたという内容のファックスの番号が、以前、ソウル市内の学校に送られた硫酸テロ予告の脅迫ファックスと発信番号が同一であることが判明したと明らかにした。二つの事件は同一人物の犯行である可能性が高いとみられる。
前日、アイドルグループ「THE BOYZ」のコンサートを控えたKSPOドームに爆発物をしかけたという脅迫が送られ、観客約2000人が避難する騒ぎになった。今月8日には、ソウル地域の学校を対象に硫酸テロを実行するという脅迫ファックスが公共機関に送られ、ソウルの各学校が警戒態勢を取った。両事件とも爆発物や脅迫の内容の状況は実際には発生しなかった。
警察は、これら事件は2年近く続いている日本のある弁護士の名を騙るテロ予告事件の延長線上にあるとみている。日本でも一種の「ミーム」のように、その弁護士の名前を用いた類似の犯罪が行われているという。
警察によると、2023年8月から現在までに韓国で発生した関連の事件だけで44件に上る。電子メールが18件で、ファックスは26件になる。警察は、2023年から関連の事件の捜査に着手したが、現時点では被疑者も特定できていない状態にある。国際刑事警察機構(ICPO)に捜査共助と刑事司法共助をそれぞれ3回と5回要請し、日本の捜査機関とも合同会議を進める予定だ。警察関係者は、捜査が進まない理由を問われると、「実際にテロを実行する可能性は低いとみているが、国民の不安感が高まり、公権力が浪費されているだけに、捜査共助を急ぎ、司法手続きの遂行に努める」と述べた。