本文に移動

【社説】「ネックレスは偽物」という尹前大統領夫人、国の品格をどこまで下げるのか

登録:2025-07-28 09:45 修正:2025-08-07 10:10
尹錫悦前大統領の夫人キム・ゴンヒ女史が2022年6月、スペインのマドリードで開かれた同胞晩餐懇談会に出席している。疑惑のネックレスを着用している/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の夫人、キム・ゴンヒ女史が海外訪問の際に着用した高価なネックレスをミン・ジュンギ特別検察官(特検)チームが確保した。2022年6月、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に同行した際に身につけていた6200万ウォン(約660万円)相当の「ヴァンクリーフ&アーペル」のネックレスだが、当時公職者財産公開の時に含まれておらず、「故意の申告漏れ」と出処に関する疑惑が提起された。

 特検チームは25日、キム女史の兄であるキム・ジヌ氏の義母の家を家宅捜索中にヴァンクリーフ&アーペルのネックレスを発見した。NATO訪問の際、このネックレスなどが議論になると、当時大統領室は「一部は知人に借りたもので、一部は小商工人(小規模自営業者)から購入した」と釈明した。今年5月、ソウル中央地検に対しては、当時の大統領室の釈明は事実と異なるとし「すべて模造品であり、なくしてしまった。知人から借りたものではなく自分で購入したものであり、しっかり保管していなかったためどこにあるのか分からない」という趣旨の供述書を提出したという。ところが、なくしたというネックレスがケースに入った状態で特検によって見つかったのだ。言うことが二転三転するため、まったく信頼できない。

 当時問題になったアクセサリーはネックレスの他にも、1500万ウォン台の「カルティエ」のブレスレットと、2000万ウォン台の「ティファニー」のブローチの3点だった。いずれも1品目当たり500万ウォン以上のため、公職者倫理法によって財産申告の対象になる。だから最初は知人から借りたと答えたが、この答弁が請託禁止法や刑法上賄賂罪にかかる素地があると遅れて判断し、全て偽物であり紛失したと前言を翻したのではないかと疑念を抱かせる。

 「模造品」という主張が事実であっても問題だ。国を代表する大統領夫人が、世界の首脳が集まる国際行事で偽物を着用したことが事実なら、世界の人々が韓国をどう思うだろうか。処罰を避けるために嘘をついたのなら、さらに深刻な問題だ。一体、国の品格をどこまで下げるつもりなのか。

 漢南洞(ハンナムドン)の官邸に続き、大統領執務室にもサウナの設置を推進し、工事業者に現金取引を提案し、価格を引き下げてほしいと頼んだという報道も衝撃的だ。業者が4500万ウォン(約480万円、付加価値税別)の見積もりを示したのにもかかわらず、キム・ヨンヒョン大統領室警護処長(当時)は「現金で3千万ウォン(約320万円)を渡すから安くしてほしい」という意向を伝えたという。売上を縮小申告して付加価値税など費用を減らす代わりに工事費を下げてほしいと要求したのだ。業者の主張が事実ならば、大統領室が先に不法と脱税を提案したわけだ。このような人たちが税金で給料を受け取り、国家を運営して権力を振るっていたことを思い出すだけでもぞっとする。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1210186.html韓国語原文入力: 2025-07-27 18:31
訳H.J

関連記事