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韓国副首相の出国85分前に…米国「2プラス2協議」一方的に延期 露骨な圧力

登録:2025-07-25 08:17 修正:2025-07-25 08:44
24日午前、韓米の財務・通商相による「2プラス2協議」の日程が延期されたことが伝えられ、ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官が仁川国際空港第2ターミナルを後にしている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 25日(現地時間)に米国のワシントンで行われる予定だった「韓米2プラス2通商協議」が、米国側の一方な通知により突如として延期された。ウィ・ソンラク国家安保室長も、米国のマルコ・ルビオ国務長官兼大統領補佐官(国家安保担当)との直接対面による協議ができずに帰国した。来月1日の相互関税の発効を目前に控え、妥結に力を注いできた韓国政府の立場からすると、予想外の壁にぶつかった格好だ。

 24日の企画財政部の話によると、米国側から「2プラス2通商協議」取り消しの連絡を受けたのは、この日午前9時ごろ。「2プラス2通商協議」に出席するためにすでに仁川(インチョン)国際空港に到着していたク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官が、午前10時25分の米国行きの飛行機で出発するわずか85分前だった。

 米国は協議延期の理由について具体的には明らかにしておらず、スコット・ベッセント財務長官に「緊急日程」が入ったためと知らせてきたのみだという。企財部の関係者は「米国側はメールで何度も申し訳ないと言ってきた。早急に日程を決めようと伝えた」と明かした。

 突然の日程取り消しを告げられた政府は当惑している。22日(現地時間)に突如として妥結した米国と日本の関税交渉のように、ク副首相と産業通商資源部のヨ・ハング通商交渉本部長、ベッセント長官、米通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア代表が出席し、合意を引き出せると期待していたからだ。交渉過程にかかわってきた政府高官は、「長官級の対面が突如取り消されることはほとんどない。当惑している」と述べた。

 この日、ウィ・ソンラク国家安保室長は、4日間の緊急訪米の日程を終えて帰国した。ウィ室長はこの日、空港で記者団に対し、「今、韓米間の交渉は終盤に、かなり重要な局面にある」として、「経済省庁の官僚たちがワシントンに行って分野ごとの細部交渉をしている。この局面で貿易、通商、安保、同盟全般にわたり総論的な協議をすることが必要」だったと訪米趣旨を説明した。ただしウィ室長は、カウンターパート格のルビオ長官とは対面できなかったという。当初予定されていた面談は、ホワイトハウスでの会議が長引いたためオンラインで行われたということだ。

 「2プラス2通商協議」の取り消しと、ウィ室長の直接面談が実現しなかったことの背景については、米国による露骨な「交渉圧力」だとする解釈が示されている。政府は今回の協議で、国内企業との共同による1千億ドル以上の投資というカードを切ろうとしていたという。政府のある関係者は「すでに韓国側のカードの概略が出ている中、それだけでは不十分だというメッセージだと読み取れる」と語った。ワシントンの交渉チームも戦略の修正は避けられないという雰囲気だが、直ちに農産物開放などを協議することはできない。政府関係者は「それはマンデート(委任)がなかったので、結局は大統領室の決断」だと述べた。

 ただし政府は、訪米したキム・ジョングァン産業通商資源部長官とヨ本部長が当初の計画通り協議を進めているとして、拡大解釈を警戒している。実際、ハワード・ラトニック商務長官は24日朝(現地時間)のCNBCの番組に出演し、「韓国代表団が今日、貿易交渉のために私のオフィスを訪問する」と明かした。だが、ベッセント長官が28~29日にスウェーデンで中国の当局者との協議を予定していることから、切迫した立場であることは間違いない。

 トランプ大統領はこの日も交渉相手国に圧力を加えるメッセージを発した。トランプ大統領は23日(現地時間)、SNS「トゥルース・ソーシャル」に「市場開放に同意する国に対してのみ関税を引き下げる。さもないとはるかに高い関税(が課されるだろう)」と述べた。

パク・スジ、ソ・ヨンジ記者、ワシントン/キム・ウォンチョル特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1209854.html韓国語原文入力:2025-07-24 21:06
訳D.K

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