本文に移動

キム前国防相の本格的な再捜査に弾み…尹前大統領の強制捜査にはひとまずブレーキ

登録:2025-06-26 08:59 修正:2025-06-26 10:07
尹錫悦前大統領が23日午前、ソウル瑞草区のソウル中央地裁での内乱首謀容疑事件の第8回公判に出廷している=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 内乱事件を捜査しているチョ・ウンソク特別検察官(特検)チームが「内乱のナンバー2」とされるキム・ヨンヒョン前国防部長官の拘束令状を取ったことで、本格的な再捜査の基礎が築かれた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の逮捕状は裁判所によって棄却されたが、28日に尹前大統領の出頭取り調べが予告されている。

 キム前長官の拘束審問をおこなったソウル中央地裁刑事34部(ハン・ソンジン裁判長)が25日にキム前長官の拘束令状を発行する際に明らかにした発行理由は、「証拠隠滅の恐れ」だった。特検チームは今月18日、準備期間も圧縮して捜査を開始した際、キム前長官を偽計による公務執行妨害と証拠隠滅教唆の疑いで追加起訴するとともに、裁判所に拘束令状を請求した。すでに内乱の疑いで起訴され裁判中のキム前長官は、裁判所による条件付き保釈も拒否しつつ、26日の拘束期間満了による釈放を期待していた。キム前長官は特検チームによる拘束令状請求に強く反発。この日行われた裁判所の拘束審問でも、4回も裁判忌避申立てを乱発して事実上審問を妨害した。結局、裁判所は拘束捜査が必要だとする特検チームの主張を認めた。特検チームは「内乱のナンバー2」であるキム前長官を拘束した状態で「ノ・サンウォン手帳」により糸口をつかんだ「北風工作」疑惑などを捜査する計画だ。

 ただし裁判所は、特検チームの尹前大統領に対する強制捜査にはブレーキをかけた。尹前大統領による逮捕状執行阻止と盗聴防止機能付き電話(秘話フォン)の情報削除容疑事件を警察から引き継いだ特検チームは、尹前大統領が出頭要求に応じない意思は明確だとして、直ちに強制捜査に着手しようとしたが、裁判所による逮捕状棄却により当面は速度調節する状況になった。特検チームが逮捕状を請求したことに対し、尹前大統領側が「出頭要求に積極的に応じる」として特検捜査に協力する考えを表明したことが奏効したとみられる。

 法曹界では、特検チームがまず尹前大統領の逮捕状を請求したのは、やや急ぎ過ぎた感があると分析されている。検事長を務めた経験を持つある弁護士は、「逮捕状請求はやや性急な面があるようにみえる。簡単に逮捕状が発行される容疑でもない」と述べた。ただし逮捕状の請求は、尹前大統領に特検の調査に協力させるカードとしては有効に作用したとみられる。特検チームは、逮捕状が棄却されたことと出頭を求める日程を公開しつつ、尹前大統領が応じなければ「逮捕状請求を検討する」と表明した。ある現職の検事は「このかん様々な捜査機関の調査を拒否してきた尹前大統領を、出頭調査に応じざるを得ないようにしたという点で、逮捕状請求には意味がある」と語った。尹前大統領の弁護団は「逮捕状が棄却されたことを告げつつ出頭の日付を指定して、まずメディアに公示するというのは特検にふさわしくなく、あまりにも拙劣な行い」だと反発しながらも、「尹前大統領は特検の出頭要請に堂々と応じる予定」だと述べた。

キム・ジウン、キム・ガユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1204738.html韓国語原文入力:2025-06-26 05:00
訳D.K

関連記事