第21代大韓民国大統領に、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補が当選した。これで、12・3内乱から半年あまり続いてきた国政の不安を解消し、危機に立たされた民主主義を堅固な地盤の上に立て直す契機が準備された。国会で171議席を占める巨大政党が輩出した大統領であるという点で、李在明氏は1987年の民主化以降、最も強力なリーダーシップを発揮する政治資源を保有することになった。
李在明氏は4日の中央選挙管理委員会による最終開票集計の結果、49.42%(1728万7513票)を得て、41.15%(1439万5639票)のキム・ムンス候補(国民の力)を8.27ポイント差で破り、当選を確定した。 改革新党のイ・ジュンソク候補は、選挙費用の補てんを受けるのに必要な得票率10%に届かず、8.34%(291万7523票)にとどまった。民主労働党のクォン・ヨングク候補は0.98%(34万4150票)だった。12・3内乱を起こした尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の罷免により行われた早期大統領選挙だっただけに、有権者は「内乱終息」を強調した李在明氏に最も多くの票を集中させたと分析される。李在明氏は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が打ち立てた歴代の民主党の大統領候補の最高得票率(48.9%)を更新した。キム・ムンス候補は4日未明、汝矣島(ヨイド)の党本部で記者会見を行い、「国民の選択を謙虚に受け入れる」と述べて敗北を認めた。今回の大統領選挙の投票率は、1997年以降で最も高い79.4%だった。
李氏は、当選が確実になった4日午前1時14分に汝矣島の国会前に設けられた舞台に立ち、「みなさんに与えられた私の第一の使命である内乱を確実に克服し、国民から託された銃刀で国民を脅かす軍事クーデターが起きないようにする」として、「この国の民主主義を回復し、民主共和政の共同体の中で国民が主権者として尊重され、認め合い、協力し合いながら生きる世の中を作っていく」と述べた。
大統領職の引き継ぎ手続きなしに直ちに任期が開始される李在明氏には、厳しい課題が待っている。深まった陣営対立の溝を埋めるとともに、危機に瀕した内需経済を再生する一方、「オールストップ」状態の外交安保も正常化しなければならない。
李氏は、中央選挙管理委員会から当選証を受け取る4日午前、首相候補の指名、大統領室秘書室長の任命など、内閣と大統領室の人事を行うとみられる。首相候補は民主党のキム・ミンソク議員、大統領秘書室長はカン・フンシク議員、国家情報院長はイ・ジョンソク元統一部長官、国家安保室長はウィ・ソンラク議員が有力視される。
李氏は4日午前、国立ソウル顕忠院(ヒョンチュンウォン)の参拝をもって大統領として第一歩を踏み出し、その後、汝矣島(ヨイド)の国会議事堂で行われる就任式に臨む。