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「極右」イスラエル財務相「ガザは完全に破壊される…住民は第三国に移住」

登録:2025-05-08 08:55 修正:2025-05-08 09:42
5日(現地時間)、パレスチナの人々がガザ地区のハンユニスのある無料給食所で提供される食事を受け取るために集まっている=ハンユニス/AP・聯合ニュース

 イスラエルの内閣から、パレスチナ人は第三国に移住するしかないとする発言が飛び出した。イスラエル軍が事実上ガザ地区の占領に着手した状況でのこの発言は、民族浄化を意図していると解釈できる。パレスチナ武装勢力「ハマス」も、これ以上の休戦会談は無意味だとして、不参加の意向を表明した。

 イスラエル極右のベザレル・スモトリッチ財務相は6日(現地時間)、ガザ地区は半年以内に完全に破壊され、一部地域を除く多くの地域から住民は退去し、無人化することになると述べた。タイムズ・オブ・イスラエルがこの日報じた。スモトリッチ財務相は、パレスチナの住民は移住するしかないとして、「彼らはガザ地区で、希望もなく期待することもないことを理解し、完全に絶望するだろう。他の場所で新たな人生を始めるために、移住を模索するようになるだろう」と述べた。

 スモトリッチ財務相は2023年10月7日のガザ戦争勃発以降、ガザ地区に新たなユダヤ人入植地を建設しようとする主張を続けている極右の人物だ。

 ハマスの政治局幹部のバセム・ナイム氏はこの日、AFP通信に「ガザ地区への空爆と封鎖によって飢餓と虐殺が続くかぎり、休戦会談に参加したり、新たな休戦を提案したりすることに意味はない」と述べた。イスラエルは、3月2日にガザ地区を全面封鎖した後、食料や医薬品などの人道的支援物資まで搬入を阻止している。英国ガーディアン紙は、ガザの住民は災厄の瀬戸際にいるという援助活動家の言葉を引用し、「傷んだ小麦粉が通常価格の30~40倍で売られており、木や捨てられたプラスチック以外に燃料に使えるものがない」と報じた。

 スモトリッチ財務相の強硬発言や、ハマスの休戦会談不参加宣言は、イスラエル軍が事実上ガザ占領に乗り出した「ギデオンの戦車作戦」が承認された翌日に出たものだ。

 スモトリッチ財務相の発言について、国際法を専門とするノッティンガム大学のビクター・カタン教授は「スモトリッチ財務相はかなり前から同様の話をしてきたが、政府が軍事作戦に言及した状況で、今回の発言はきわめて深刻」だとしたうえで、「閣議でこのような主張が出てくる場合、さらに大きな問題になる可能性がある」と指摘した。イスラエルは先月に休戦を破棄した後、ガザ地区の70%に強制移住命令を下すなど、住民の接近を制限している。国連人道問題調整事務所(OCHA)が明らかにした。近隣諸国のヨルダンとエジプトを含むアラブ諸国は、パレスチナ人の移住に反対している。

 イスラエルのガザ占領計画の発表を受け、国際社会で懸念が広がるなか、ベンヤミン・ネタニヤフ政権が次の選挙までの残りの15カ月間、国内の極右勢力に頼る政権運営を続けるという分析も出ている。ネタニヤフ首相が、人質釈放のための休戦交渉を要求する国内世論を排除し、極右政党に頼って連立政権を維持する強硬論を掲げているという見方だ。

 一方、イスラエル内閣は、ガザ戦争初期におけるイスラエルの対応の失敗を調査するための国家調査委員会を設置しないことを、5日(現地時間)に決定した。英国ガーディアン紙は、イスラエルが占領計画を再強調した理由として、ハマスとの休戦交渉用であり、来週のサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、カタールなどを訪問する予定のドナルド・トランプ大統領の中東歴訪後に本格攻勢をかけるためだと分析した。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1196198.html韓国語原文入力:2025-05-07 16:21
訳M.S

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