韓国の造船会社が相次いで中国を抜いて大規模な船舶受注を獲得した。米国政府が中国船舶に対する規制に乗り出すことを予告したことで、大手海運会社が韓国にラブコールを送っている。
サムスン重工業は17日、オセアニア地域の船主からシャトルタンカー9隻を受注したと公示した。契約規模は1兆9355億ウォン(約1990億円)。シャトルタンカーは、原油を海上で船積みし、陸上の貯蔵基地まで運ぶ原油運搬船だ。
当初、この船主は9隻の船舶を韓国と中国の造船会社に分けて発注することを検討していた。しかし、最終的には韓国の造船会社に全量を任せることにした。サムスン重工業は9隻の船舶を2028年までに順次引き渡す。
造船業界では、グローバル海運会社が船舶の建造を発注する際に米国の中国船舶規制を本格的に考慮し始めたとの分析が出ている。トランプ政権は、中国で建造された、あるいは中国船籍を持つ船舶には米国の港湾入港手数料を課す案を検討している。海運会社がこのような負担を減らすために韓国の造船会社を選択する事例が増えるかもしれないということだ。
ハンファオーシャンも同日、超大型コンテナ船6隻受注のニュースを伝えた。世界最大のコンテナ専門海運会社である台湾のエバーグリーン社が発注した2万4千TEU(1TEU=20フィートコンテナ1台分)級の超大型コンテナ船だ。
ハンファオーシャンの受注も中国を抜いて獲得した成果だ。2022年以降、2万4千TEU級のコンテナ船市場は、中国の造船会社が安い人件費を掲げて急速に掌握してきた。ハンファオーシャン側は「中国の造船所が価格競争力を基盤に関連市場を主導してきたため、今回の受注は韓国造船業の競争力を立証したという意味がある」と話した。