「夜にアーモンドを食べるのはいいが、レーズンは避けるべきだ」
最近、フランスの健康雑誌「サンテ(健康)マガジン」の特集記事が指摘した内容だ。同誌は「夜にドライフルーツを食べるのは良い考えだろうか」という見出しの記事で、「アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツなどナッツ類を夜に食べるのは良い」としたうえで、「しかし、レーズンや乾燥なつめなどは避けるべきだ」と説明した。
なぜだろうか。理由は睡眠と関係がある。ナッツ類は睡眠に役立つが、ドライフルーツは睡眠の妨げになるからだ。
まず、ドライナッツ(アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオなど)は体と睡眠に特に良い。ほとんどのナッツは「神経系と筋肉系を弛緩させ、熟睡に役立つミネラルであるマグネシウムが含まれているため」だ。
さらに、ナッツ類にはトリプトファンが豊富な点も熟睡に役立つと同誌は指摘した。トリプトファンはセロトニンを生成するのに必要な必須アミノ酸だ。セロトニンは幸福感を与えるホルモンで、夜には睡眠に役立つホルモンであるメラトニンに切り替わる。メラトニンが豊富だと熟睡できる。
また「ナッツ類に含まれた繊維質とタンパク質は満腹感を与える」として、これは「食欲などを抑え、眠りに入るのを助けるのに重要な成分だ」と補足した。
もちろんナッツ類もたくさん食べてはいけない。同誌は、夜に食べるナッツ類は、一握り(30グラム)を超えないほうがいいとアドバイスする。
一方、レーズン、乾燥なつめ、干しあんずなどのドライフルーツを夜に食べると、睡眠の妨げになる。ドライフルーツには繊維質、必須ミネラル、抗酸化剤が豊富だが、決定的に砂糖も多く含まれているためだ。果物を乾燥させると水分が蒸発し、果物に含まれている天然糖分がさらに濃縮される。そのため、ドライフルーツは新鮮な果物より砂糖の割合が高い。
「サンテマガジン」によると、寝る前にドライフルーツを食べると血糖値が高くなり、睡眠を妨げる可能性がある。血糖値が高いとエネルギーが増え、エネルギーが増加すると眠りにくくなる可能性があるということだ。その上、血糖値が高いと睡眠を調節するホルモンであるメラトニンの生成が妨げられる。また、血糖値が急上昇して眠れなくなり、やっと眠りについたとしても、夜の間に血糖値が下がればエネルギーが落ちて結局夜に目が覚めたり悪夢を見る可能性があると指摘する。そのため、ドライフルーツは夜ではなく、朝や昼に食べた方が良い。
ならば、二つを一緒に食べるのはどうだろうか。同誌は夜にナッツとドライフルーツを一緒に食べるなら、必ずナッツ類をドライフルーツより多くとるべきだとアドバイスした。ナッツとドライフルーツを合わせても一握り(30グラム)を超えないほうが良いという。