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韓日の「飲食店廃業」の背景に気候危機の影

登録:2025-02-18 08:24 修正:2025-02-18 09:22
韓国のある伝統市場。廃業を告げる文言が発泡スチロールに記されている/聯合ニュース

 昨年10万7千軒あまりの飲食店が廃業した韓国だけでなく、隣国の中国と日本でも史上最大規模の飲食店の廃業が発生している。中国は供給が過剰な中での景気低迷が主な原因だが、韓国と日本は気候危機による食材費の上昇も大きな原因となっている。

 中国の飲食業専門メディア「紅餐網」は、昨年の中国では食堂、レストラン、カフェ、ベーカリーなどの飲食店が約300万軒廃業し、これは「過去最高記録」だと1月24日に報道した。同日、日本の帝国データバンクは、昨年1千万円以上の負債を抱えて法的整理手続きに入った飲食店の「倒産」件数は894件で、史上最多だったとする報告書を発表した。

 帝国データバンクは、昨年10月に発表した報告書では「相次ぐ食材費や光熱費の高騰、人件費の引き上げなどで収益が大きく圧迫されているが、飲食店の価格転嫁率(コストの増加分を販売価格に転嫁した比率)は7月に36%で、全業種(44.9%)と比べて非常に低い」として、「中小規模の業者を中心に倒産や廃業が増加している」と分析している。

 日本の食材費高騰を象徴するのが「令和のコメ騒動」と呼ばれるコメ価格の高騰だ。農林水産省の集計によると、昨年12月の新米の全国平均価格は60キロ当たり2万4665円で、前年に比べ60%上昇。コメ価格は2023年12月にも前年に比べて17.1%上昇している。生産費が上がったことも原因だが、2023年夏の記録的な猛暑による生産量の減少、特に品質の良いコメの不足が大きく影響した。昨年8月に日本の気象庁が巨大地震の発生を警告した際にコメの買い占めまで起きたことで価格はさらに高騰。コメ価格の上昇は寿司などの価格を押し上げている。

 韓国では2023年に果物価格の高騰、2024年に「長ネギ騒動」、「ホウレンソウ騒動」が起きている。気候危機による不作が原因だ。初秋まで30度を超える高温が続いたことで高冷地の白菜が不作だった昨年9月中旬には、韓国農水産食品流通公社(aT)の集計で白菜1株が9千ウォン(約944円)を超えた。ある大規模スーパーでは2万ウォン(約2100円)で販売されてもいる。特定の農産物の価格高騰は、代替品の価格まで押し上げている。

 気候危機による農産物価格の高騰は世界各地で起きている。世界1位、2位のコーヒー生産地であるブラジルとベトナムの異常気象はコーヒー豆の価格を高騰させており、ガーナをはじめとする西アフリカのカカオ生産地がエルニーニョと病虫害の影響を受けたことでカカオ価格も高騰している。

チョン・ナムグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1182754.html韓国語原文入力:2025-02-17 05:00
訳D.K

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