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ムーディーズ、サムスン電子の信用格付け見通しを「ネガティブ」に下方修正

登録:2025-01-24 19:28 修正:2025-01-24 23:57
ソウル市瑞草区のサムスン電子の社旗=チョン・ヨンイル先任記者//ハンギョレ新聞社

 国際的格付け会社のムーディーズは、半導体市場におけるサムスン電子の技術リーダーシップが弱まったという理由で信用格付けの見通しを「否定的」に下方修正した。

 ムーディーズは24日、サムスン電子の先順位無担保債券に対する信用格付けは従来のAa2で維持しながらも、見通しを「安定的」から「ネガティブ」に下げた。格付けの見通しは今後の変化の可能性に対するもので、格付け変更とは異なる。

 ムーディーズは格付けの理由として「ここ数年、サムスン電子の半導体市場での技術リーダーシップが弱まった」として「人工知能(AI)および最先端メモリー、ファウンドリ製品でリーダーシップを回復しようと努力しているが、激しい競争と急速に変わる市場環境の中で実行上の困難に直面しているとみられる。特にAI半導体に対する需要が急速に増加し、顧客オーダーメード型半導体を適時に開発する技術的な難易度が高まっている」と指摘した。サムスン電子が世界的な半導体設計企業であるNVIDIA(エヌビディア)に第5世代高帯域幅メモリー(HBM3E)を供給することに支障が生じている状況を指したものとみられる。

 収益性の悪化も格付けの見通しの下方修正に影響を及ぼした。ムーディーズの説明によると、中国企業との低価格メモリー製品競争が増え、サムスン電子のマージンは今後12~18カ月間、昨年同様に約11%水準を維持するとの見通しだ。パソコンとモバイル市場の需要不振も収益性を制約する要因だ。これは2012~2022年の平均マージン(約16%)より低い水準に当たり、Aa2等級基準で弱い収益性と評価されるというのがムーディーズの判断だ。Aa2は同格付け会社の評価体系でAaa、Aa1に次ぐ3番目に高い等級。韓国の信用格付けもこれと同じだ。

 ムーディーズは今後の格付けの上方修正条件として、サムスン電子が「半導体部門で技術リーダーシップを回復」し、「運営マージンを13~14%水準に回復」、「強力な財務状態を維持する場合」と提示した。だが、運営マージンがこの水準を下回ったり、キャッシュフロー弱化、純現金ポジション悪化、市場シェア弱化および技術リーダーシップ損失、より攻撃的な財政・株主還元政策を導入する場合には下方修正される可能性があると話した。

 これに対してサムスン電子側は「信用格付けの見通しが下がっただけで会社の財務状態に及ぼす影響はない」として「根本的な技術力を回復するために努力している。早く競争力を取り戻せるよう邁進する」という立場を明らかにした。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1179699.html韓国語原文入力:2025-01-24 18:52
訳J.S

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