大統領弾劾審判が8年ぶりに繰り返された。これを眺める青年層の世論は、少なくとも指標については大きな違いを示している。専門家らは、これをただちに尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する「青年層の支持」と解釈することを警戒しながらも、今後発生しうる極端な政治的分裂を懸念している。
韓国ギャラップが14~16日に調査した結果によると、尹錫悦大統領の弾劾に反対する20代は25%、30代は29%まで増加した。12・3内乱事態の直後である先月10~12日と比べると、それぞれ17ポイント、14ポイント増えた。これは、朴槿恵(パク・クネ)大統領(当時)が弾劾された2016年とは大きく異なる。朴大統領弾劾訴追案の国会表決を控えた2016年12月、20代は93%、30代は94%が弾劾に賛成した。事実上「全員」に近い青年が弾劾を求めたのだ。
このような変化の背景には、一部の男性青年の反フェミニズム感情など、過去8年間に青年層が体験した問題が一時的に拡大したという解釈がまず出ている。女性が主導する「ペンライト集会」(弾劾要求)の対称点として、尹大統領を支持する動きが男性青年の間で広がったということだ。成均館大学のク・ジョンウ教授(社会学)は「MeToo運動を起点に、ジェンダー対立が韓国社会の亀裂の中心軸となった」とし、「若者層も男女ともに弾劾に賛成する雰囲気だったが、20~40代の女性たちがペンライトを持って弾劾賛成と社会変化を主導すると、男性たちの間で警戒する雰囲気が形成された。ふたたびジェンダー対立が表面化した状況」だとして、最近の雰囲気を指摘した。
専門家らは、これを根拠に青年たちが「尹大統領の代表的な支持勢力になった」とみなすのは難しいと考えている。8年前の弾劾局面とは違う政治地形の影響を無視できないためだ。朴槿恵大統領弾劾の際にセヌリ党の重鎮議員らは、大統領弾劾を求める声を上げた。「保守」派の有権者には朴大統領を支持しなくとも頼ることのできる制度圏内の勢力がいたからだ。しかし、現在は与党政治家の大多数が尹大統領に同調する状況にある。保守的な政治指向を持つ有権者が「尹大統領支持」以外に向かうところが減っており、これは青年層も同じだ。実際の全世代の弾劾反対の割合(36%)と比べると、青年層の反対割合は20%台で、いまなお低い水準にある。
ただし、政治的な境界線を「憲政秩序に従わない」尹大統領で経験した青年層の今後の進む道に対する懸念は続く。徳成女子大学のチョ・ジンマン教授(政治外交学)は「大統領は『不正選挙』『法治は崩れた』と言い、これをユーチューバーが拡散している」として、「尹大統領の罷免や大統領選挙後も、社会的対立のコストを払わなければならない可能性もある」と述べた。