6日(現地時間)、NVIDIA(エヌビディア)のジェンスン・フアン最高経営者(CEO)の「ロボットのChatGPTの瞬間は遠くない」という言葉と共に幕を開けたCES2025(米先端技術見本市)では、韓国・中国・日本のロボット企業が各々の技術を誇って角逐戦を行った。
9日(現地時間)、中国のロボット企業ユニツリー・ロボティクスのブースは、ロボット犬「ベンベン(ユニツリーGO2)」を見ようとする観覧客でにぎわった。このロボット犬には高性能モーターとセンサーが搭載され、人間との「交感」が可能なように見えた。
記者がベンベンに手を差し伸べると、ベンベンもやはり挨拶するように片足を上げて反応した。前に人がいれば、しばらく止まって後ろに歩いたりもした。四足歩行で階段を上下左右に自由自在に上り下りもする。飼い主と共にユニツリーのブースを通り過ぎた本物の犬がベンベンを見て「ワンワン」と吠えるハプニングも起きた。観覧客たちは爆笑した。ベンベンの重さは約15キロ。価格は2千ドル以上に設定されたという。
ユニツリーのヒューマノイドロボットは、NVIDIAの展示館で観覧客を出迎えた。ユニツリーがNVIDIAのロボット協力会社であるためだ。この日展示場に出展されたロボットは人が操縦して動かす基本型だったが、歩く姿や関節の動きはかなり自然だった。高性能モデルは人の操縦なしで動くようにプログラミングすることが可能で、ハードウェア面では後方転回をしたり、軽く走ってジャンプするなどの動作もできるという。
実生活で「かゆい部分に手が届く」作業をするロボットも目についた。中国のロボット掃除機メーカーのロボロックは、今回のCESでロボットの腕とトングを装着した新製品「Saros z70」を公開した。掃除中、床に置かれた邪魔物をトングで拾って片付けることができる。シャオミ傘下のロボット掃除機ブランド「ドリーミー」も、腕付きロボット掃除機を披露した。このロボット掃除機には足もあり、最大4.2センチの高さの段差を越えることができるという。欧州と北米で販売されている中国のロボットメーカーのワイボティックス傘下のブランド「ワイボット」のプール掃除ロボットも目を引いた。水中でも壁面と床を自由に行き来しながら、床に落ちた落ち葉などの異物を吸い込み、自らプールの上段に設置された充電器に戻る。太陽光で充電され、常にプールをきれいな状態に管理できるわけだ。
日本のスタートアップは精巧さに勝負をかけた。日本のロボットスタートアップのシンカー(Thinker)とフィンガービジョン(FingerVision)は、いずれもロボットのトングにセンサーを取り付け、きわめて薄いか小さい物も精巧に運べるように制作された。この日、シンカーのロボットトングは小さなネジ釘を繰り返し移す作業をしながら精巧さを誇った。
革新賞を受賞した製品もある。日本のロボットスタートアップのカイラスロボティクスのロボットアームは全重量がわずか2.5キログラムで、ドローンや無人移動機器などにも装着できる。XRグラスと連動して人の視線で作動する。ブースで直接体験してみた。グラスをはめると現れるピンク色のボールを3秒間見つめると「手に取る」という選択肢が現れ、この選択肢を見つめた後に5秒間右目を閉じると、ロボットトングがピンク色のボールを手に取った。同社の塩見佳久最高戦略責任者(CSO)は「今後は手に取ろうとする物体を直に見れば手に取る通知が出るよう技術を発展させていく予定」と話した。
韓国のスタートアップも多くの関心を集めた。現代自動車の投資を受けた韓国のスタートアップであるテソロのロボットグリッパー「デルトグリッパーDG-5F」は、まるで人の手のように自然な動きを実現した。この会社のキム・ワンス理事は「指の関節ごとにモーターが一つずつ入っていて独立的に駆動できるので繊細な作業が可能だ」として「非定型化された物体を移したり入れたりしなければならない物流側での活用の余地が大きいだろう」との見通しを語った。サムスン電子の投資を受けた社内ベンチャー「グリーンフォロー」は、スマートフォンのカメラやセンサーだけを利用し、ユーザーについて回るゴルフバッグキャリアを披露した。チョ・ソンレ首席エンジニアは「米国プロゴルファー協会(PGA)などあちこちから協業の問い合わせを受けた」として「スマートフォンで駆動できるよう軽いアプリを作ったことが私たちの強み」だと話した。