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韓国、家計融資が4日間で2500億円増…不動産の「借金投資」が急増

登録:2024-07-07 19:25 修正:2024-07-08 07:27
先月、ソウル市内の都市銀行前に掲示された融資商品関連のバナー/聯合ニュース

 韓国の不動産など資産市場と家計融資に非常灯が点いた。今月に入ってわずか4日で主要市中銀行の家計融資が2兆ウォン以上急増し、「過剰負債」が再び韓国経済の雷管として浮上している。一貫性のない政府の政策が市場の不安さに油を差したと指摘されている。

 7日、金融界によると、KB国民、新韓、ハナ、ウリィ、NH農協銀行からなる主要銀行5行の今月4日基準の家計融資残額は710兆7558億ウォン(約82兆7000億円)で、先月末に比べて2兆1835億ウォン(約2500億円)増えたと集計された。今月に入って4日間で、6月の1カ月間の家計融資増加額(5兆3415億ウォン)の約40%が増えたことになる。

 6月の5行の家計融資残高の増加規模は、2021年7月(6兆2009億ウォン)以後、2年11カ月ぶりの最大値を記録した。これに先立って4月からは家計融資残高が毎月4兆~5兆ウォンずつ増え、今月には増加速度がさらに急になったわけだ。ある市中銀行の関係者は「通常、銀行職員の融資商品販売などの実績評価締め切りが6月末なので、7月初めに融資が集中するのは異例」と話した。

 融資のタイプ別に見ると、住宅担保貸付が8387億ウォン、信用貸付が1兆879億ウォン増えた。特に先月は2143億ウォン減った信用貸付が、7月に入って逆に大幅に増えた。

 最近の家計向け融資の増加を牽引しているのは、不動産など資産市場の「借金投資」だ。ある銀行圏の関係者は「ソウルの人気地域の住宅価格が以前の最高点水準まで値上がりし、住宅貸付金利も2%台後半まで下がったことで、融資を受けてマイホームを買おうという心理を刺激している」と話した。韓国不動産院によると、7月第1週のソウルのマンション価格は15週連続で値上がりし、2年9カ月ぶりの最大上昇幅(0.20%)を記録した。公募株市場で短期売買が集中し、今月初めに公募請約を受けたゲーム会社「シフトアップ」などに証拠金を払うために銀行の「マイナス通帳」を開設するなど、国内外の株式の借金投資増加も信用貸付の急増に影響を及ぼしたとみられる。

 筋違いの行動を見せる韓国政府の政策に対する批判も高まっている。新生児特例融資など政策性融資の供給拡大、家計融資の限度規制(ストレスDSR2段階適用)の強化延期、総合不動産税の減税推進など住宅需要を刺激する政策を連日打ち出しておいて、今になって銀行融資を抑制すると乗り出したためだ。国土交通部によると、1月29日に申請の受付を始めた新生児特例融資の先月21日までの融資申請額は5兆8597億ウォン(約6800億円)で、全体の75.2%(4兆4050億ウォン)が新規住宅購入のための融資需要だ。

 政府はこのうち、家計所得に対する借金返済負担を一定水準以下に抑える総負債元利金返済比率(DSR)規制に対し、死角地帯だった伝貰(チョンセ・不動産賃借保証金)資金融資、中途金および移住費融資、政策融資などを含める案を慎重に検討している。漢陽大学のハ・ジュンギョン教授(経済学)は「政府が今年新生児特例融資27兆ウォン供給など政策金融を奨励し、計画していた融資規制強化を延期することは、金融を緩和し不動産市場を支えるという信号として市場が受け入れる可能性が大きい」として「DSR規制の死角地帯を減らすなど、金融規制を一貫して実施していくことが重要だ」と語った。

パク・チョンオ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1148051.html韓国語原文入力:2024-07-07 18:45
訳J.S

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