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韓国訪れた外国人観光客も驚くほどの物価高…衣食住費用、主要国より55%高い

登録:2024-06-19 06:06 修正:2024-06-19 08:54
14日、ソウルの「イーマート」清渓川店で市民が果物を選んでいる/聯合ニュース

 韓国ではここのところ消費者物価上昇率が2%台に下がるなどインフレが鈍化しているが、パンデミック以降の物価上昇が累積し、すでに高くなった必須消費財の価格が生活費の負担となっているという韓国銀行分析が出た。分析の結果、特に国内消費者の衣食住費用が主要国の平均より50%以上高く、低所得層の物価負担が相対的に大きいことが分かった。

 韓国銀行が18日に発表した「イシューノート」と「物価安定目標運営状況点検資料」によると、昨年基準で国内の衣食住品目の価格は、経済協力開発機構(OECD)33カ国の平均より55%高いことが分かった。主要17品目群のうち食料品価格は主要国の平均の1.56倍、衣類・靴は1.61倍を記録した。住居費(ソウル地域の家賃基準)は主要国平均の1.23倍だった。一方、公共料金(電気・ガス・水道)は政府政策の影響で低い方(0.64倍)だった。この分析は、「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」が調査した世界173カ国の首都または主要都市(韓国はソウル)の生活費指数の統計データを基に推算したもの。

 細部品目別にみると、食料品の中ではリンゴの価格が主要国平均の3倍水準(2.8倍)であることをはじめ、豚肉(2.12倍)、ジャガイモ(2.08倍)、米(2.13倍)の価格が高かった。工業製品の中ではTシャツ(2.13倍)と男性スーツ(2.12倍)が主要国平均の2倍を上回った。衣食住品目の支出比重が大きい低所得層の家計をさらに苦しめる環境といえる。

 一方、電気や水道、ガス、公共交通、郵便など公共料金水準は主要国平均より27%低いことが分かった。物価負担を軽減するために政府の政策的支援が続いた影響だと、報告書は解説した。

 韓国銀行は、すでに高くなっている物価水準は金融政策だけで解決される問題ではないとし、構造改善の必要性を指摘した。特に「農産物輸入」など供給チャンネルの多角化を強調した。韓国銀行は「輸入果物の価格は国産より変動性が概して低く、輸入が増え多様性が向上すれば果物の価格変動性が低くなる効果が予想できる」と明らかにした。また、相対的に低い水準に抑えられている公共料金についても「段階的に正常化する努力」が必要だとし、「その過程で脆弱階層に対しては選別的支援を並行しなければならない」と述べた。韓国銀行は食料品と衣類の価格が主要国の平均水準くらいに低くなった場合、家計の平均消費余力は約7%ほど増え、逆に公共料金が平均水準に高くなれば消費余力が3%ほど減ると推算した。

 今後の物価上昇率の推移は緩やかな鈍化傾向が続くものと予想された、下半期中に消費者物価上昇率が2.5%を下回る水準まで下がるとの見通しだ。消費者物価の上昇率は、昨年12月の3.2%から今年5月は2.7%まで下がった。第1四半期の国内総生産(GDP)成長率で内需(民間消費)が一時持ち直したが、今後の内需側面における物価上昇圧力は限られたものになる見通しだ。

 韓国銀行のイ・チャンヨン総裁はこの日、韓銀別館で開かれた記者懇談会で「インフレは鈍化しているが、韓国の食料品、衣類など必須消費財価格は主要国に比べて高い水準を維持しており、生活費の負担が大きい状況」だとし、「物価が予想通り目標に近づいていくかをもう少し見守る必要がある」と述べた。韓国銀行の今年の消費者物価上昇率の予想値は2.6%だ。

チョ・ヘヨン、キム・フェスン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1145358.html韓国語原文入力:2024-06-18 20:43
訳H.J

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