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「北朝鮮の核弾頭推定保有数が50発に…さらに90発組み立て可能」

登録:2024-06-18 08:36 修正:2024-06-18 09:44
金正恩朝鮮労働党総書記兼国務委員長が昨年3月、核兵器の兵器化事業を指導し、兵器級核物質の生産拡大と核兵器生産を急ぐよう指示している/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮が保有している核弾頭は、昨年より20発増の50発と推定された。

 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は17日(現地時間)に発表した年次報告書で、北朝鮮の核弾頭保有数をこのように推定しつつ、「北朝鮮は引き続き軍事的核プログラムを国家の安全保障戦略の要として優先視している」と述べた。報告書は、北朝鮮が現在すでに50発の核弾頭を組み立てており、90発の核弾頭を組み立てることができるほどの核分裂性物質を保有していると推定している。

 ただし、北朝鮮が実際に保有する核弾頭の数は不確実だとしつつ、「北朝鮮は核兵器に使われるプルトニウムを生産してきたが、核兵器に使われる高濃縮ウラン(HEU)も生産していると考えられる」としている。高濃縮ウランは核兵器製造までの過程が単純で、プルトニウムのように事前に爆発試験を行わなくても実戦使用が可能であることが知られている。SIPRIは、昨年6月に公開した2023年の年次報告書では北朝鮮の保有する核弾頭数を30発、組み立て可能な核弾頭数を50~70発と推定していた。SIPRI大量破壊兵器プログラムのマット・コルダ副研究員は、「他の多くの核保有国と同様に、北朝鮮も戦術核兵器の開発を重視している」と指摘した。

 米ワシントン・ポスト紙は、今回の報告書で、中国の核能力が高まっているとされていることに注目している。報告書によると、昨年と比べて中国の核弾頭は410発から500発へと90発も増えており、2030年の中国の核弾頭保有推定値を米国の5分の1(約1000発)ほどとしている。

 現在の核保有国(米国、ロシア、英国、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエル)のうち、核弾頭を増やした国は中国、インド、北朝鮮の3カ国のみ。ワシントン・ポストは、「多くの米国の専門家は中国の目標を『核同等性』だと仮定していると考えている」というカーネギー国際平和財団のトン・ジャオ中国シニアフェローの発言を伝えつつ、「中国の核兵器増強はウクライナやガザ地区の戦争など、全世界で対立が激化する中でなされたもの」と述べている。報告書でも、ウクライナ戦争は核軍備の規制にとって「否定的な影響」を及ぼしており、「長いこう着状態を破り、核武装国が新たな兵器システムを開発し、配備するという、懸念されるすう勢を覆す機会を減らした」と指摘されている。

 全世界の核弾頭の数は、昨年に比べて391発減った1万2121発と推定された。これは、米国とロシアが古い核弾頭を解体したことによるもの。ロシアの保有数はミサイルや作戦部隊に配備されていたものを含めて309発減の5580発、米国は200発減の5044発。米国とロシアは全世界の核弾頭の90%を保有している。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1145123.html韓国語原文入力:2024-06-17 11:50
訳D.K

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