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「プーチンのバレリーナ」来韓公演中止…韓ロ対立の新たな火種になるか

登録:2024-03-16 06:15 修正:2024-03-21 07:14
韓国初のバレエ公演となる「モダンス」でシャネルの舞台衣装を着たロシアのボリショイ・バレエ団の看板バレリーナ、スヴェトラーナ・ザハーロワさん=インアーツプロダクション提供//ハンギョレ新聞社

 「プーチン支持派の芸術家」として物議を醸しているロシアのバレリーナ、スヴェトラーナ・ザハーロワさん(44)の来韓公演「モダンス」が中止となった。ロシア側は政治的圧力によって取り消されたと反発しており、悪化する韓国・ロシア関係に新た火種を投じている。

 ザハーロワさんの公演が開催される予定だった「芸術の殿堂」は15日、「4月17日から21日まで予定された『モダンス』の2024年来韓公演は、観客とアーティストの安全を考慮して中止となったことをお伝えする」と公示した。芸術の殿堂は「観客の皆様に心より謝罪する。前売りチケットは手数料なしで全額払い戻し処理される予定」だと案内した。

 ザハーロワさんが主役を務めるモダンスの韓国公演は、元々は2021年に予定されていたが、コロナ禍によって延期され、今年4月に開催される予定だった。モダンス(MODANSE)は、ファッションを意味するフランス語のモード(Mode)と舞踏(Danse)の合成語だ。ザハーロワさんはモダンスにロシアのボリショイ・バレエ団の主役ダンサーたちと出演する予定だった。

 来韓公演を控え、ザハーロワさんが「親プーチン派」の要人だという主張が出て物議となった。ウクライナ生まれのザハーロワさんは、2014年のロシアのクリミア半島合併に賛成し、ロシアのドゥーマ(連邦議会下院)議員を2回務め、ウラジーミル・プーチン大統領から勲章も与えられた。

 駐韓ウクライナ大使館は4日に公式声明を出し、「侵略国家の公演者を見せることは、ロシアの不当な侵略を正当化し、ウクライナ国民の苦痛を軽視するものだ」として「絶対に容認できない」という立場を表明した。

 駐韓ロシア大使館は15日、「ザハーロワの『モダンス』のバレエ公演が中止になったというニュースをメディアを通じて知り、非常に残念だ」として、「文化芸術分野の協力が政治的ゲームの人質になってはならない」と批判した。同大使館は「大韓民国に駐在する第三国の外交代表らが、ロシアとの文化交流を中止せよという不適切な要求とともに、予定されていたロシアのバレエ団の公演の価値を落とすために繰り広げる卑劣なキャンペーンに注目せざるをえない」とも非難した。ロシアのタス通信は「ソウルで開催予定だったザハーロワの公演が、ウクライナ側の要請によって中止された」として、駐韓ウクライナ大使館によるザハーロワ公演の中止声明に欧州連合(EU)代表部が参加したと報じた。

 ザハーロワさんはRIAノーボスチ通信に「主催者、チケットを購入した観客、私たちにとっても、すべてのことが取り消しになったのは残念なこと」だとしたうえで、「公演が主催側ではなく(韓国)政府レベル、すなわち文化部レベルで中止になったことを確認した」と主張した。

 問題が大きくなると、同公演の韓国側主催者である「インアーツプロダクション」と「ソウル・アーツセンター」はタス通信に、「私たちは芸術家や観客に対する危険の可能性を認識し、この決定を下した」とし、「公演を中止せよという脅迫や圧力はなかった」と明らかにした。主催側は危険の可能性とは何かについては明らかにしなかったと、同通信は報じた。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1132497.html韓国語原文入力:2024-03-16 01:22
訳M.S

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