本文に移動

[社説]米当局者「北朝鮮が数カ月以内に攻撃」…韓国政府はどう備えているのか

登録:2024-01-29 06:44 修正:2024-09-24 07:25
北朝鮮のミサイル総局が「14日午後、中長距離固体燃料弾道ミサイルの発射実験を成功裏に進めた」と、労働新聞が15日付2面に報道した/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 米国の専門家らの「朝鮮半島戦争説」に続き、米政府当局者も北朝鮮が数カ月以内に韓国を狙った攻撃に出る可能性があると警告している。北朝鮮が韓国を「敵対的交戦国」と規定し、新兵器の試験を続けて脅威のレベルを高めている中、これまで「強対強の対抗」を叫んできた韓国政府は情勢を慎重に管理すべき責任がいつにも増して大きくなった。

 米紙ニューヨークタイムズは25日、匿名の米政府関係者らが、北朝鮮が数カ月以内に韓国に致命的な攻撃を加える可能性があるという見方を示したと報じた。国務省東アジア太平洋次官補を務めたアジア・ソサエティーのダニエル・ラッセル副会長も、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が2010年の延坪島(ヨンピョンド)砲撃をはるかに上回るレベルの攻撃を目指しているようだとし、「衝撃的な軍事行動の可能性に備えなければならない」と述べた。先日、米国内最高の北朝鮮専門家とされるミドルベリー国際問題研究所のロバート・カーリン研究員とジークフリード・ヘッカー博士が「金正恩(委員長)が戦争を行う戦略的決定を下した」とし、「朝鮮半島の状況は1950年6月初め以来、いつにも増して危険だ」と警告したことを機に、北朝鮮の脅威を真剣に捉えなければならないというムードが広がっている。

 多くの専門家は、北朝鮮が朝鮮半島で意図的に全面戦争を起こす可能性は低いとしながらも、北朝鮮が今年、危険な局地的挑発に出る可能性は非常に高いとみている。金正恩委員長はここのところロシアとの武器取引を通じてロシアから外交・経済・軍事支援を受けていることから、以前よりはるかに果敢に行動できると判断しているものとみられる。

 最も懸念すべきなのは、南北の境界地帯での偶発的衝突が戦争へと拡大する可能性だ。北朝鮮が北方限界線(NLL)を認めないと宣言した中、春のワタリガニ漁や対北朝鮮ビラ散布などが導火線となり、西海(ソヘ)や陸上の境界地域での北朝鮮の挑発と南北衝突が非常に危険な状況につながる恐れが大きい。南北間の意思疎通のチャンネルもすべて断絶した危険な状況だ。まず、韓国政府が外交を通じて状況を管理しなければならない。特に、経済回復に力を入れている中国も朝鮮半島での衝突の拡散を望んでいないことを踏まえ、韓中がこの問題に対して真剣な外交に乗り出さなければならない。政府が今の状況を重く受け止め、対応しているのかも疑問だ。先日まで連日北朝鮮の挑発の可能性に言及し「即時に、強力に、最後まで報復する」と豪語していたシン・ウォンシク国防長官は、「戦争危機説」で金融市場が動揺した後、突然態度を一変させ、「吠える犬はかまない」などと述べて戦争の可能性を一蹴した。このような安全保障を国民は果たして信頼できるだろうか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1126125.html韓国語原文入力: 2024-01-27 01:14
訳H.J

関連記事