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韓国、5年で国防費349兆ウォン投入…北朝鮮の核に備え「韓国型3軸システム」強化

登録:2023-12-12 23:23 修正:2023-12-13 08:25
国防科学研究所(ADD)が今年6月に公開した長距離地対空誘導兵器(L-SAM)の弾道弾迎撃試験の様子=国防部提供//ハンギョレ新聞社

 国防部は12日、来年からの5年間で計349兆ウォン(約38兆6000億円)の国防費を投入するとともに、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に備える「韓国型3軸システム」の構築に集中することを内容とする「2024~2028年国防中期計画」を発表した。

 国防費は今年の57兆ウォン(約6兆3100億円)から年平均で毎年7%増え、2028年には80兆ウォン(約8兆8600億円)になる。このうち3軸システム関連予算は5年間で計41兆5000億ウォン(約4兆6000億円)で、電磁パルス弾(EMP弾)など14事業が追加されたため、以前の計画より2兆ウォンほど増える。3軸システムとは、北朝鮮によるミサイル発射の兆候を事前にとらえて発射前に除去するキルチェーンに、韓国型ミサイル防衛システム(KAMD)と大量反撃報復(KMPR)を加えた概念だ。

 国防部は、北朝鮮全域での挑発の兆候を早期にとらえ監視する軍事偵察衛星を2025年までに5基確保するとともに、2030年までに数十基の超小型衛星を打ち上げ、北朝鮮の特定地域に対する衛星の監視周期を30分以内に短縮する計画だ。

 地下坑道にある北朝鮮の主要軍事施設と指揮部を破壊する戦術地対地誘導兵器-1(KTSSM-1)の戦力化を完了させるほか、射程距離と貫通力が改善された戦術地対地誘導兵器-2の研究開発も推進する計画だ。有事の際に北朝鮮の主要施設と指揮部に打撃を与える高性能ステルス戦闘機と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)搭載の3千トン級以上の潜水艦を追加確保するとともに、群ドローン・自爆ドローンや、電磁パルスで北朝鮮の電子装置をまひさせる電磁パルス弾も開発する計画だ。

 高度30~40キロの低層から北朝鮮のミサイルを迎撃するミサイル「天弓2」と「パトリオット(PAC)3」、高度50~60キロの上層から迎撃するミサイル(L-SAMなど)を確保し、首都圏と重要施設の防衛能力を強化する。長射程砲迎撃システムや様々な迎撃ミサイル(M-SAM3、L-SAM2)などを開発し、複合・多層ミサイル防衛システム構築を完了する時期を当初の2030年代から2028年へと前倒しする計画だ。高威力、超精密、長距離ミサイルを確保し、北朝鮮全域に打撃を与えうる大量反撃報復能力も強化する。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1120136.html韓国語原文入力:2023-12-12 19:32
訳D.K

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