2023年5月、ソウル明洞(ミョンドン)の街は様々な色の服を着た外国人であふれた。新型コロナウイルス禍の前は中国人観光客が大半を占めていたが、パンデミックが終わった近ごろは、ソウルの街は欧州、米大陸、日本、東南アジアなどの様々な国の旅行客でにぎわっている。大型バスを動員した団体観光はほとんど見かけず、ベビーカーに赤ちゃんを乗せた家族連れの旅行客や、スーツケースを引っ張りながらあちこちをのぞいている個人旅行者をよく見かける。
午後4時ごろ、明洞には料理を売る手押し車の屋台が登場する。この時から街を行き来する外国人も急増する。華やかなショーウインドーの前でストリートフードをおいしそうに食べているジョン夫妻が目に入った。カナダから来たジョンさんは「クール」な韓国が好きで、今回が4回目の訪問だそうだ。妻は3度目。妻や娘と焼き鳥やスイカを食べていたロバートさん一家は、記者が写真撮影の許可を求めると快くポーズを取る。米国ロサンゼルスからやって来た彼らは韓国に魅了され、京畿道に居住地を構える計画だ。この他にもシンガポールからやって来たクロイさん、カンボジアの一家など、多くの外国人が明洞の隅々を見て回っていた。しかし写真報道は望んでいないため、彼らの姿は掲載しない。
韓国人だけでなく、世界の人々は今や感染症に奪われた日常の中で最も渇望していた「旅、そして出会い」の機会を取り戻した。その切実な瞬間を韓国、その中でもソウル明洞で求める人々に出会えてとてもうれしい。