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中国のドローン、22回も台湾偵察…米国「ニューノーマル作りの試み、容認しない」

登録:2022-08-31 06:30 修正:2022-08-31 18:19
中国と台湾の対決を示すイラスト/ロイター・聯合ニュース

 米国のナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問後、中国の無人機(ドローン)による台湾領空の侵入が頻繁になっている。台湾は強く反発し、中国のニューノーマル(新基準)に向けた試みだとし、容認しないという立場を明らかにした。

 台湾国防部は29日、ホームページを通じて、金門防衛司令部が同日午後4時頃、金門島の付属の島である獅嶼沖合の海上統制区域で、武装していない中国民間用無人機1機を発見したと発表した。台湾軍は「監視-通知-退去の試み-警告射撃」など所定の手続きに従って信号弾を発射し、無人機は1分後に中国福建省の厦門方向に戻った。

 今月に入って中国の無人機が20回以上も台湾領空に進入する状況が続いている。台湾国防部の資料によると、ペロシ議長の台湾訪問直後の3日から29日までの間に中国の無人機が台湾領空で発見された回数は22回にのぼる。ただし、武装していない民間用であり、厦門から4キロメートルほど離れた台湾の金門島とその周辺島の台湾軍事施設などを偵察して帰った。最近、中国のソーシャルメディアにはこのドローンが撮った動画が2本公開されたが、台湾軍人の顔が鮮明に見えるほど近接撮影が行われた。台湾軍は24日、この動画で撮られた人々が自国の軍人であることを確認し、「(中国が)台湾軍の対応を試すほか、動画を撮って虚偽情報を作り、台湾軍を分裂・誹謗しようとする意図」があると主張した。

今月16日、中国民間用無人機が台湾の二胆島で撮った台湾軍人の姿=微博よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 このような反発に対し、中国外交部の趙立堅報道官は29日の定例記者会見で、「中国の無人機が中国の地上を飛ぶのは驚くべきことではない」と短く答えた。台湾は中国領土なので、無人機の飛行に問題はないという意味だ。これを受け、台湾は中国の無人機を「泥棒」に喩えて非難した。台湾外交部は同日、ホームページに「中国の古いことわざでは、招いていないのに来る人を泥棒という」とし、「台湾の人々は開かれたドアから入ったり、虚空を盗み見たりする泥棒を歓迎しない」と明らかにした。

 米国は中国が度重なる軍事挑発を通じて「ニューノーマル」を作ろうとしていると批判した。ホワイトハウスのジョン・カービー国家安全保障会議(NSC)戦略広報調整官は29日の記者会見で、中国の無人機の台湾進入と関連し、「ペロシ議長の台湾訪問を前後に、中国はこの地域でニューノーマル(新基準)を作ろうと力を注いでいる」とし、「すでに表明した通り、我々はこれを容認しない」と述べた。

 それだけではない。ペロシ議長が台湾を離れた直後の4日、中国は台湾上空を越える弾道ミサイルを発射し、中国戦闘機はほぼ毎日台湾海峡の中間線を越えている。これに対抗し、米国は28日、ミサイル巡洋艦「チャンセラーズビル」と「アンティータム」を台湾海峡に派遣した。中国が自国領海と主張する海に戦艦を送り、中国のニューノーマル構築の試みを受け入れないという意志を示したのだ。これに対し、中国は戦闘機「殲(J)-11」3機など軍用機7機を台湾海峡の中間線を超える地点まで派遣するなど、武力示威を行った。

8月に行われた中国の台湾海峡での「軍事的ニューノーマル」の試み //ハンギョレ新聞社
北京/チェ・ヒョンジュン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1056732.html韓国語記事入力: 2022-08-3102:31
訳H.J

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