文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の秘書室は31日、慶尚南道梁山市平山村(ヤンサンシ・ピョンサンマウル)の私邸近くで「暴言デモ」を続けてきた保守団体の会員たちを警察に告訴した。
慶尚南道の梁山警察署は「本日、文前大統領側が平山村の自宅近くで集会中に罵詈雑言などの騒音を生じさせ、住民を苦しめるとともに虚偽を繰り返し流布したなどの容疑で、保守団体の会員ら4人を告訴した」と明らかにした。
警察によると、文前大統領側は侮辱および虚偽の提示にともなう名誉毀損、殺人および放火脅迫、公共の安寧を脅かすことが明白な集会を行った容疑(侮辱・名誉毀損、暴力行為などの処罰に関する法律上の共同脅迫、集会および示威に関する法律違反)で3つの保守団体の所属会員3人と参加者1人を告訴した。警察の関係者は「告訴事件の処理手続きに沿って厳重に捜査を進める予定」だと語った。
保守諸団体は、文前大統領が大統領府を出て平山村の新居に入居した10日以降、1日も欠かさず拡声器などで暴言デモを続けている。住民たちは罵詈雑言と騒音について嘆願書を何度も提出しており、112番(警察の電話番号)通報も100件以上にのぼる。不眠症やストレスで病院で診療を受けた70~90代の高齢者は10人以上に達するという。
保守諸団体は「集会および示威に関する法律」の認める範囲内で集会を行なっているため、警察も取り締まりや処罰に踏み込めておらず、夜間拡声器使用制限を通告したり、罵詈雑言の自制を呼びかけたりを繰り返すにとどまっている。耐えかねた住民たちは24日に「暴言はもうやめろ」「うるさくて暮らしていけない」として保守団体の集会の中止を求めてもいる。
文前大統領側は24日に、名誉毀損などの容疑で告訴する際に必要な手続きなどを警察に問い合わせている。30日には報道資料を発表し「平穏だった村が叫び声と罵詈雑言の飛び交う現場になった。住民の日常が破壊されるのはもちろん、人生まで脅かされる生存の問題となった。政府と治安当局には、住民の日常を踏みにじる反理性に対する断固とした対応を求める」と述べている。