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米中外交トップ、ウクライナ開戦後初の電話会談で神経戦

登録:2022-03-07 06:26 修正:2022-03-07 08:09
ポーランドとウクライナの国境地帯の難民収容施設を訪問した米国のアントニー・ブリンケン国務長官(左)が5日、国境でウクライナのドミトロ・クレバ外相と話し合っている=コルチョバ/AFP・聯合ニュース

 米国と中国の外交トップが、ロシアのウクライナ侵攻後初の電話会談で、互いに「世界が見守っている」「NATO東進の否定的な影響」と言及し、とげを含んだ言葉を交わした。

 米国務省は、アントニー・ブリンケン長官が5日、中国の王毅外相と電話会談を行い、「ロシアの計画的で正当化できない」ウクライナ侵攻問題を論議したことを明らかにした。国務省のネッド・プライス報道官は、ブリンケン長官が王毅外相に「どのような国々が自由、自主、主権という基本原則を擁護するのか、世界が見守っている」と述べたと明らかにした。また、「世界は、ロシアが高い代償を支払うことを明確にしてロシアの侵略に対応し、(ロシアの侵略を)退けようと歩調をあわせている」と強調したと伝えた。

 ブリンケン長官が「見守っている」と述べたのは、米国が中国の対応に注目しているという意味だ。ロシアの肩を持たず圧力を加える隊列に加わるよう勧めたわけだ。

 中国外交部は、王毅外相が「国連安全保障理事会の常任理事国である中国は、終始一貫、事案自体が正しいか間違っているかに応じて、立場と政策を決めてきた」という立場を明らかにしたと述べた。王毅外相が「私たちは、ロシアとウクライナが直接交渉することを奨励する」と述べたとした。王毅外相は、米国と北大西洋条約機構(NATO)、欧州連合(EU)も対話に参加する必要があると述べた。また、「NATOの連続的な東進がロシアの安全保障環境に及ぼした否定的な影響を重視する」とし、中国は誰であっても「火に油を注ぐ」行為に反対すると明らかにした。

 王毅外相の発言は、1990年代以降、NATOが東欧諸国を加盟国に引き込み、ロシアの安全保障を脅かしたことが今回の戦争の原因だとする中国政府の基本見解を示したものとみられる。中国政府は2日、ロシアの侵攻を糾弾する国連緊急特別総会の決議の際には、棄権票を行使した。

 一方、ブリンケン長官はこの日、ウクライナ難民が押し寄せたポーランド国境の都市コルチョバを訪問し、人々がロシア軍の攻撃を経験したことや脱出の過程について話を聞いた。また、国境でウクライナのドミトロ・クレバ外相に会い、支援策を論議した。AP通信は、ブリンケン長官が道路に表示された国境を越えてウクライナ領土にもしばらく留まり、「私がいまウクライナで私の友人や仲間たちと立っているように、全世界がウクライナを支持している」と述べたと報じた。ロシアの侵攻にあったウクライナの地を米国の高官が踏んだということを示そうとする象徴的な行動だ。

ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1033697.html韓国語原文入力:2022-03-06 14:31
訳M.S

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