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文大統領「現政権を違法と攻撃することに強い怒り…ユン候補に謝罪要求」

登録:2022-02-11 01:57 修正:2022-02-11 07:53
文在寅大統領が大統領府で、アジア太平洋地域のニュース通信社交流協力体「アジア太平洋通信社機構(OANA)」の議長社である聯合ニュースおよび世界7大通信社との書面インタビューを行った後、写真撮影に臨んでいる=OANA合同取材団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日、国民の力のユン・ソクヨル候補に対して、「現政権に根拠もなく、積幣捜査の対象、違法とのレッテルをはったことに対して強い怒りを表し、ユン候補の謝罪を求める」と述べた。政治的中立を掲げ、懸案について発言を控えていた文大統領が、自ら野党候補を真っ向から批判したことで、大統領選挙をおよそ20日後に控え、選挙構図は文大統領とユン候補の「全面対決」へと突き進もうとしている。

 文大統領はこの日午前の参謀会議でユン候補の「積弊捜査」発言に言及し、「中央地検長、検察総長在職時には、現政権に積弊があるにもかかわらず見て見ぬふりをしたというのか。それとも、ありもしない積弊を企画してでっち上げるということなのか」と述べ、上のように語った。パク・スヒョン国民疎通首席が伝えた。ユン候補は前日公開された「中央日報」とのインタビューで、「政権を握ったら、前政権の積弊捜査は行うのか」との問いに対し「すべきでしょう。(捜査は)なされるべきです」と繰り返し強調し、「文在寅政権で不法と不正を犯した人々も、法に則って、システムに則って相応の処罰を受けるべき」と述べた。また「今、民主党政権が検察を利用して、どれほど多くの犯罪を犯していることか」と述べた。

 大統領府は前日のユン候補の発言について「非常に不適切で不快だ」との立場を示したが、文大統領が自ら「強い怒り」を表出するという、選挙に自ら「登板」する格好となったことで、与野いずれも今回の出来事が大統領選に及ぼす影響に注目している。文大統領は、この日公開された聯合ニュースと世界7大通信社とのインタビューで「盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の在任中の弾劾の後遺症と、退任後の悲劇的な事件を経験したにもかかわらず、韓国の政治文化は根本的に変わっていない」とし、異例にも盧元大統領の死去に言及してもいる。支持層の「盧武鉉トラウマ」が作用しているようだ。

 民主党は、ユン候補の発言は「報復的政治」を想起させるとして、総力戦に打って出た。イ・ジェミョン候補はこの日、記者団に対し「多くの大統領選の過程を見てきたが、候補が政治的報復を事実上公言するのは見たことがない」とし「我々は統合を通じて未来へと向かっていかなければならないが、報復や憎悪、葛藤、分裂が韓国社会を危険に陥れるという気がする。報復ではなく統合の道へと向かっていくことを心から提案したい」と述べた。文在寅政権で国政状況室長を務めたユン・ゴニョン議員も、この日ラジオ番組に出演し「個人的な政治的報復宣言であり、歴代大統領選挙で類を見ない事件」とし「恥知らずで信義もなく常識もない妄言であり、傲慢さの極致」と非難した。

 国民の力は、文大統領が選挙に介入しているとして反発した。イ・ジュンソク代表は自身のフェイスブックに「政権を問わず不正を行った人に対する捜査を公正に進めてきたわが候補が、文在寅政権も誤ったところがあれば聖域とはなり得ないという原則論を語ったことに対して、大統領府は激怒した」とし「原則論に対して急発進しつつ野党候補に傷をつけようという行為は、明白な選挙介入に当たる」と主張した。同党選対本部のイ・ヤンス首席報道担当は「民主党はユン候補の発言趣旨を曲解し、政治的報復という枠をはめようとしているが、今度は大統領と大統領府が加勢するのか」と述べた。

 ユン候補はこの日の文大統領の謝罪要求を事実上拒否した。同氏はこの日、記者団に対し「ユン・ソクヨルの辞書に政治的報復という単語はない」とし「文大統領も常に法と原則による聖域のない査定を常に強調してきた。私もまた、権力型の不正と腐敗は、常に法と原則、公正なシステムによって処理されなければならないと申し上げてきた。こうした面で、文大統領と私は同じ考えだと言えるだろう」と述べるにとどまった。

ソ・ヨンジ、イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1030641.html韓国語原文入力:2022-02-10 18:36
訳D.K

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