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妹を満足させた三星のハイブリッド カメラ‘NX10’

登録:2010-01-22 11:40

原文入力:2010-01-21午後09:53:00(3170字)
[フォト21] 三星初のハイブリッド カメラNX10
国内技術で作られた初のハイブリッド カメラ
小さなカメラと小さなパンケーキ レンズの印象的組み合わせ
特色のないデザインと動画画質が残念

←三星のハイブリッド カメラ‘NX10’

三星のハイブリッド カメラ‘NX10’が本格的な市場攻略に出た。国内技術で作った最初のハイブリッド カメラであるNX10は、いわゆる‘チクタク(コンパクト デジカメ)’と呼ばれる小型自動カメラとDSLR(デジタル一眼レフ式)カメラの長所を混合したモデルだ。国産デジタルカメラの独立宣言とも言える三星の野心作は果たしてどんなものか。<ハンギョレ>が作った写真コミュニティ<フォト21>(www.foto21.kr)に上がったパワーユーザー キム・セフン(StrongArm)様の経験記を紹介する。フォト21原文はwww.foto21.kr/review_user/1876.html

写真生活のジレンマ

私はカメラマンたちに人気があるカメラであるニコンのD3を使っている。いい加減に撮ってもうまく撮れ、光が良いところではもちろん、光の少ない苛酷な状況でも信じられる結果を出してくれる専門家用DSLRだ。このカメラの機能に対し不満はないが携帯するには手にあまる大きさと重さのために、平常時は持っていない。

趣味であれ職業であれ、写真を楽しむ立場で写真を撮りたい決定的刹那にカメラがないことほど悲しいことはない。こういう理由で常に持っていられる画質の良いカメラを探し何度も‘チクタク’と呼ばれるコンパクト デジタル カメラを購入しては売ることを繰り返した。惜しくもすでに専門家用DSLRの高画質結果に合わされた目を満足させるほどの製品はなかった。

チクタクの携帯性,DSLRの画質…二兎狩りに出る

←三星のDSLR GX-20とNX10の構造図。反射鏡とペンタプリズムなどの光学装置を省略しレンズ マウントからセンサーまでの距離(flange back)を大きく減らした。

大きく重いDSLRを捨てることができず、2番目のデジタル カメラとしてNX10を追加しようとする私のような人々はもちろん、一番目のカメラとしてNX10を考慮する予備購買者もこう悩むだろう。携帯しやすく画質も良いデジタル カメラはどこかにないだろうか。

←NXマウントで新しくお目見えした30mm F2レンズは携帯性と画質,デザイン全てに優秀だ。

レンズを通じて入ってくる光を反射鏡とプリズムなどの大きく重い光学装置を通じてピューファインダーまで伝達するDSLRとは違い、NX10はレンズを通じて入ってきた光が直接フィルムの役割をするセンサーに伝えられ、能動型有機発光ダイオード(AMOLED)モニターに出力される。嵩が大きい内部の光学装置を果敢に省略したおかげで、既存の小型DSLRの半分程度、高級型チクタクと比較しても大差のない印象的な大きさを実現した。

小さくともNX10の成果物は優れている。NX10に内蔵されたセンサーは大部分のDSLRに使われているものと同じAPS-C規格で、外形上は似た大きさの高級チクタクが使うセンサーに比べ6~12倍ほど広い。広いセンサーは多量の光を取り入れ良い写真を作る。小さなカメラに備わっている大センサーはNX10の最も大きな魅力であろう。その上、多くのNX10使用者たちが主力として選択すると予想される30mm F2レンズは非常に小さく可愛らしいデザインに良い画質まで備えた。はやり言葉で言えば‘大当たり予感商品’だ。

これより良くはなれない。現存最高AMOLEDモニター

←NX10に使われているAMOLEDモニターは解像度,明るさ,視野角の面で他のデジタル カメラによく使われるLCDモニターに大きく先んじる。

人気女性歌手の広告が印象的だった高画質AMOLEDモニターは今や携帯電話の専有物ではない。NX10は3インチVGA級AMOLEDモニターを通じ鮮明な写真を表現する。一般的なLCDモニターの場合、光が強い屋外では可視性が大きく落ちるが、NX10のAMOLEDモニターはこのような限界から自由な方だ。ビューファインダよりはモニター画面を通して構図と露出を確認する場合が多いこのような製品にとって高画質AMOLEDモニターは大きな長所だ。

AFは平凡,画面インターフェースは改善されるべき

自動焦点機能は競争関係にある似た製品と同様の水準だが、DSLRに比べる訳にはいかない。これはNX10の問題というよりは、現在のコントラスト検出AFの限界と見た方が良いようだ。関連技術が発展すればDSLRとの格差も減る筈だ。

使用者がカメラを操作し常に接することになる‘グラフィック ユーザーインターフェース’(GUI)は完成度を論じることすらできなかった既存の三星デジタル カメラに比べ日進月歩していた。NX10のGUIは既存よりマシという程度ではなく、確実に美しく魅力的だ。ただし、このカメラの主要消費層が初心者だという点を勘案せずに、あまりに多くの機能項目を一画面に映し出し、全体的に散漫な感じがする。多彩な機能をすっきりしたメニューツリーに整理して見せて欲しい。

デザインと動画機能に対する物足りなさ

NX10の試作品が公開された時からデザインに対する多くの賛否があった。デザインに対する評価は個人の好みに大きく左右されるので絶対的ということはできないが、DSLRの内部光学装置が省略され必要なくなった突出するピューファインダーまでそのまま踏襲しているNX10のデザインには満足できない。いっそWB1000等デザイン面で良い評価を受けた既存三星コンパクト カメラを手直ししてハイブリッド カメラの個性を極大化するほうが良くはないだろうかという物足りなさがある。

三星がビデオカメラを生産する業者なので、動画機能に少なからず期待をしたのだが、NX10の動画性能はそれほど印象的でない。画質の劣化が多少眼につくが、これはビデオカメラ事業で得たノウハウを利用し克服しなければならないだろう。

妹を満足させたカメラ

この間、小さいことで噂になったDSLRを与えれば大きく重いと言い、チクタクを渡せば写真が気に入らないと不平を言っていた妹に、NX10に30mm F2レンズを付けてやったら喜色を表した。小さくて軽くて何時間持っていても負担がない上、写真もまともに撮れて良いという。他のハイブリッド カメラと同様にNX10もやはり小さなハンドバッグに化粧品やアクセサリーだけでなく良い写真まで入れたい女性たちに人気を呼ぶに足る製品だ。

高くも安くもない価格…選択は市場の役割

←NX10に基本提供される18-55mmレンズが装着された姿

NX10は18~55mmレンズと合わせて89万8千ウォンで販売される予定だ。同様の性能の他製品に比べ高くはないが、国産製品なので国内市場だけは少しは安ければ良いという声に応じた価格でもない。

画質やデザイン,価格などから色々な異見があるだろうが、海外出張をする度にカメラ一つのために数えきれない程聞いた‘Are you Japanese?’という質問を聞かなくても良い未来をNX10が操り上げてくれないだろうか、内心期待している。

文:キム・セフン(payton@paran.com)

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/400306.html 訳J.S