釜山(プサン)の市民団体が、日帝強占期(日本の植民地時代)の強制徴用労働者に対する賠償に関する裁判所の「日本企業国内資産売却命令」を直ちに履行することを三菱重工業に求めた。
統一運動団体「釜山同胞ハナ」は29日、釜山東区草梁洞(トング・チョリャンドン)の日本総領事館近くの平和の少女像前で記者会見を開き、「戦犯企業三菱重工は裁判所の賠償命令を直ちに履行し、日本政府は被害者に謝罪せよ」と要求した。
同団体は「最近、裁判所は三菱重工に対して強制徴用被害者が起こした資産売却命令申立てを受け入れた。極めて当然で正当な決定だ」と述べた。続いて「日本政府は、強制徴用問題に対する韓国の最高裁判決に関する司法手続きを国際法違反だとして、これを不服としている。戦犯企業の三菱重工は、今回の裁判所の決定について非常に遺憾だとし、即時抗告した。両者とも厚顔無恥だ」と批判した。
同団体は「裁判所の決定がうやむやになってはならない。市民が立ち上がって日本政府と戦犯企業の判決の履行を強く求めなければならない。日帝強制動員賠償判決は訴訟を起こした被害者だけの問題ではなく、韓国の歴史の問題だからだ」と強調した。
同団体のチ・ウンジュ共同代表は「三菱重工は戦犯企業だ。彼らの成長の背景には、朝鮮から強制徴用され、一銭の給料ももらえず、16時間以上の強制労働に苦しんだ多くの朝鮮の青年たちの血と汗が潜んでいる。市民の力を合わせ、居直る三菱重工を強く糾弾し、圧力をかける」と述べた。釜山労働者同胞ハナのチョ・ソクチェ共同代表は「日本政府は植民地支配について心から謝罪し、賠償手続きを進めよ」と述べた。同団体は、日帝強制動員賠償判決の履行を求める署名運動をはじめる予定だ。
大田(テジョン)地裁のキム・ヨンチャン部長判事は27日、ヤン・クムドクさん(92)、キム・ソンジュさん(92)ら強制徴用被害者側が三菱重工の商標権と特許権の売却を求めて申し立てた特別現金化命令申立てについて、売却命令を決定した。差し押さえ命令でない特別現金化命令の申立てが受け入れられたのは今回が初めて。三菱重工側はこれを不服として即時抗告した。