国家情報院長に会った「告発教唆疑惑の情報提供者」チョ・ソンウンとは何者か
ユン・ソクヨル前検察総長在任中の検察による告発教唆疑惑事件の情報提供者であるチョ・ソンウン元未来統合党選挙対策委員会副委員長が、先月、国家情報院のパク・チウォン院長と会っていた事実が判明し、議論が起きている。野党「国民の力」とユン・ソクヨル陣営は、今回の暴露に国家情報院が介入したという疑惑を提起して対抗し、チョ元副委員長は「パク院長とは今回の件を相談しなかった」と反論している。
チョ元副委員長は12日、本紙との電話インタビューで「パク院長が『国民の党』代表（非常対策委員長）だった時に（私は）最高委員（非常対策委員）で、放送の際も親交が深かった。（亡くなった）奥様が入院していた時も頻繁に通うほど、人間的な関係を続けていた」と述べ、「9月1日にニュースバースが翌日報道が出ると急に伝えてきたので、先月はその問題で悩む理由もなかった」と強調した。さらに「パク院長は法制司法委員を長く務めていて、ユン・ソクヨル前総長とも親交があったと認識しており、そのような相談をする対象として考慮したことはなかった」と付け加えた。またチョ氏は11日、フェイスブックに「当初からすでに『操作された筋書き』『チュ・ミエ（前法相）による筋書き』『パク・チウォンによる筋書き』などとレッテルを張ろうとする試みは十分に予想していた」と書き、「これを防ぐために、すべての資料を一番最初に捜査機関に提出した。さらに追加で提出する予定」だとも明らかにした。
チョ元副委員長とパク院長は先月11日、ソウル都心のあるホテルで食事をしたことが確認された。チョ元副委員長は当時、フェイスブックに写真を載せて「歴史と話しあう瞬間」と書いた。パク院長も11日、聯合ニュースに「食事を一緒にしたのはその通りだが、今回の告発教唆疑惑に関する話は全く出てこなかった」と述べ、「電話をしてたびたび会う関係。そのような感じで会ったもの」だと説明した。
チョ元副委員長は2014年、共に民主党の前身である新政治民主連合に入党し、多くの政党を経て汎野党陣営に移った青年政治家だ。新政治民主連合への入党とともに、当時ソウル市長候補だったパク・ウォンスン陣営に合流し政界に足を踏みいれ、2016年に共に民主党が立党した際には、当時の党の主流であった文在寅派勢力に反発して離党し、チョン・ジョンベ前議員が立党した国民会議に合流した。統合する形でアン・チョルス代表が率いる国民の党に入り、チョン前議員の推薦で非常対策委員に就いた。その時の国民の党の非常対策委員長がパク院長だった。
2018年にはアン・チョルス代表と決別したパク院長らとともに国民の党を離党し、民主平和党の立党に合流した。民主平和党副報道担当に就いたチョ氏は2018年4月30日、フェイスブックに、板門店（パンムンジョム）で行われた4・27南北首脳会談の晩餐に当時野党代表だったパク院長が招待されたことを取りあげ、「パク・チウォン代表も、やはりこの瞬間、一つの党に所属する一人の国会議員ではなく、政党を超越する歴史の象徴になった」と書いた。続けて「誰かがいつも尋ねる。『なぜパク・チウォン代表のそばについて回るのか』と。歴史を近くで眺めて経験するには、パク代表の近くがVIP席」だと書いた。
汎与党陣営に留まったチョ元副委員長は昨年1月、「ブランドニューパーティ」の立党を推進し、汎保守勢力の統合過程に参加して未来統合党（現・国民の力）に入党し、総選挙では選挙対策委員会副委員長に就いた。しかし、ブランドニューパーティは、立党に必要な5000人を満たすために発起人名義を盗用したという事実が明るみになったため、立党は失敗に終わり、政界を去りブランドコンサルティング会社を創業し経営中だった。
国民の力とユン・ソクヨル陣営は二人の会合を根拠に、今回の暴露に国家情報院が介入したという疑惑を提起している。ユン・ソクヨル陣営は今回の事件を「パク・チウォン・ゲート」と命名し、13日にパク院長を国家情報院法と公職選挙法違反の容疑で告発すると明らかにした。陣営の総括室長を担当する国民の力のチャン・ジェウォン議員はこの日の国会記者会見で「今回の事件は、パク・チウォン院長と彼の“政治的養女”であるチョ・ソンウン氏が、大韓民国の大統領選挙から有力野党候補を除去しようと企てた政治工作の事件だとしかみえない」と強調した。
訳M.S