日本政府が福島第一原発の敷地内のタンクに保管している放射性物質汚染水を海へ放出することを決定したが、全国の漁業従事者や自治体の反対が続いている。
全国漁業協同組合連合会(全漁連)は23日、通常総会を開き、福島原発汚染水の海洋放出について「到底容認できるものではない」と反対決議を全会一致で採択したと、毎日新聞が24日付で報じた。全漁連は、2015年に(汚染水について)「関係者の理解なしにいかなる処分も行わないと約束したのに、政府がこれを覆した」とし、「全国の漁業者から怒りの声が上がっている」と反発した。
福島県いわき市議会も23日、汚染水の海洋放出決定をめぐり、政府に対し再検討を求める意見書を提出したと同紙は報道した。市議会は意見書で「漁業関係者らの理解を得て改めて決定する」、「(汚染水は)当面、陸上保管を続け、課題解決に取り組む」ことなどを求めた。
日本政府と東京電力は、漁業関係者などの反対にもかかわらず、汚染水の海洋放出作業を進めている。東京電力は汚染水の放出で「風評被害」が生じた場合、賠償する案を今年の夏までにまとめる方針だ。東京電力は「被害が生じた場合、期間、地域、業種を限定せず賠償する」とし「間接的な影響に対しても適切に対応する」と明らかにした。
日本政府は4月、福島原発汚染水の放射性物質濃度を法定基準値以下に下げた後、約30年にわたって海に放出することを決めた。実際の放出は新しい設備建設などに時間がかかり、2年後に行われる予定だ。