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求職を断念する人が急増…韓国の若者、就職の崖に「失われた世代」となるか

登録:2021-01-15 09:31 修正:2021-01-15 10:22
今月13日午前、ソウル西大門区のある大学の就職情報センターが閑散としている/聯合ニュース

 1年以上続くコロナ禍で若者層の就職難が悪化している。当面の困難はもちろん、経歴の空白が長引けば長期的には彼らが低賃金階層に定着し、「失われた世代」になるという懸念も出ている。

 統計庁が14日に発表した「2020年年間雇用動向」によると、昨年の若年層(15~29歳)の拡張失業率(雇用補助指標3)は25.1%で、前年に比べ2.2ポイント上がった。統計を取り始めた2015年の21.9%から2019年は22.9%へと4年間で1ポイント上がったが、昨年のコロナ禍で急増したのだ。拡張失業率とは、調査当時は求職活動をしていなかったが就職する意思のある潜在求職者や、アルバイトをしながら再就職を希望する人などを包括した概念だ。求職活動をする人だけを集計する公式失業率に比べ、実際に感じる失業状況をよく表していることから「体感失業率」と呼ばれる。

 求職自体を断念した「就業放棄者」の若者も急増している。昨年の非経済活動人口のうち、学業や育児など特定の理由なく「無職」の人口を見ると、20代(41万5千人)が前年比25.2%増となり、全年代で最も増加率が高かった。

 韓国雇用情報院は昨年8月の報告書「求職断念者増加の特徴」で、若者層(15~29歳)の求職断念者(25万8千人)が全体の求職断念者(68万2千人)の38%で最も大きな割合を占め、若者求職断念者のうち「在学中」の若者が前年同月比108%と急増したという分析結果を出した。報告書は「夏休みに(学生たちが)アルバイトをするのが通常であるにもかかわらず、在学中に若者の求職断念が増えたのは、労働需要不足による問題という可能性がある」と指摘した。

 経済危機の際、若者の就職が遅れるとこれによる賃金損失・経歴喪失を経て、その後も賃金と就職の機会が減る「履歴効果」が発生する可能性があると懸念されている。

 日本では資産バブルがはじけ景気低迷が始まった1990年代の若者層(1970~1980年代初め生まれ)が「就職氷河期」を経験した。彼らは高い失業率のため十分にキャリアを積むことができず、その後も低賃金や雇用不安に苦しみ、「失われた世代」と呼ばれている。

 韓国開発研究院(KDI)のハン・ヨセフ研究委員は昨年、「若者雇用の現況および政策提言」という報告書を通じて「最初の入職が1年遅れた場合、同年齢の労働者に比べ、今後10年間の賃金が年平均4~8%低くなるものと推定される」と述べた。ハン研究委員はハンギョレの電話取材で「若者層の低賃金・雇用不安が長引くと不平等が固まり、彼らが今後家族扶養などでも困難を負い、福祉費用の増加につながる可能性がある」とし、「若者層が現在のコロナ禍後に需要が拡大する有望業種に進出できるよう、教育訓練の機会を拡大すべきだ」と述べた。

イ・ギョンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/978895.html韓国語原文入力:2021-01-1507:23
訳C.M

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