文在寅(ムン・ジェイン)大統領と日本の安倍晋三首相が、来月中国で首脳会談を行うものとみられる。韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了の「条件付き延期」から首脳会談まで約1カ月で、日帝強制動員や日本の対韓国輸出規制、GSOMIAなど、複雑に絡み合った韓日の懸案の解決策を模索し、“一括妥結”できるかに関心が集まっている。しかし、日本当局者たちとマスコミが「日本は何も譲っていない」と主張したことに対し、大統領府が24日「都合のいいこじつけ」や「信義誠実の原則に反する」、「指導者の良心」などの表現を使い、強く対抗したことからも分かるように、両国の接点探しには難関が予想される。
カン・ギョンファ外交部長官は23日、日本の名古屋で開かれた主要20カ国・地域(G20)外相会議に出席し、韓日外相会談を終えた後記者団に、来月末、中国四川省成都で開かれる韓日中首脳会議を機に「韓日首脳が会えるように日本側と調整することにした」と明らかにした。日本の茂木敏充外相も「中国で12月末に開催される日中韓首脳会議に合わせて、日韓首脳会談を実施する方向で調整することで意見が一致した」と発表した。首脳会談が実現すれば、今月4日「ASEAN+3首脳会議」が開かれたタイで行われた11分間の歓談を除外すれば、昨年9月のニューヨークの国連総会を契機に行われた会談以来、15カ月ぶりとなる。
両国の外相は会談で、韓日首脳会談についてだけでなく、輸出規制の撤回に向けた協議や強制動員、朝鮮半島情勢などについて話し合った。会談は予定された15分を二倍以上超えた35分間にわたり行われた。最大の争点は、強制動員被害賠償問題だ。日本が対韓国輸出規制解決に向けた対話に乗り出すことを条件に、韓国がGSOMIAの終了を見送る「スモール・ディール」の合意が成立したが、強制動員の解決に合意できなければ、振り出しに戻る可能性がも高い。茂木外相は韓日外相会談前に名古屋で記者団に対し、「現在の最大課題であり、根本的な問題は強制徴用被害者だ」と述べ、強制動員の解決法と輸出規制の撤回を結びつけようとする日本政府の思惑を露わにした。
両国政府が強制動員の解決策探しを加速化せざるを得ない状況になったことで、解決策を見出すための対話の場が開かれるなど、強制動員の被害者たちも転換点を迎えた。来月の韓日首脳会談の予定とともに、最高裁判所の判決による日本企業資産の売却期限も迫っているからだ。外交当局者は「まだ韓日間の隔たりが大きい」としながらも、「議論が本格的に始まること自体に意味がある。強制徴用解決策協議に弾みがつくだろう」と述べた。
被害者らの同意を前提にした解決策作りがカギとなる。大統領府関係者は24日「強制動員被害の解決と関連し、韓国政府は最高裁(大法院)の判決遵守や三権分立の原則、1965年韓日請求権協定の維持、2005年の民官合同委の発表の遵守、被害者の同意を前提にした問題解決という5つの原則を一度も破ったことがない」とし、「最も重要なのは被害者が受け入れられるかどうかだ」と強調した。
訴訟に参加した強制動員の被害者を中心に議論の実効性を高めるため、「被害者要求案」の作成など、目に見える動きもみられる。被害者らも、差し押さえた日本企業の資産の売却よりは、対話で問題を解決すべきだということに重点を置いている。被害者によって立場が異なり、訴訟に参加できない被害者もかなり多いため、要求案は「日本の責任を問うべきだ」など、必ず守らなければならない原則的な内容が盛り込まれる可能性が高い。強制動員被害者の関係者は、「韓国だけでなく日本の法曹界など幅広く話を聞いている。我々がどのような考えを持っているのかについて公式的な要求案があれば、韓日政府が参考にできるのではないかと思う」と話した。