キム・ヨンチョル統一部長官が31日、金剛山(クムガンサン)観光の南側の主な事業主体である現代峨山のペ・グクファン社長と韓国観光公社のアン・ヨンベ社長に会った。金剛山地域における南側の観光施設の撤去を求める北朝鮮側の方針にどう対応し、観光再開・活性化の糸口を探るかを話し合うためだ。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「南側と合意して撤去」指示(23日)による金剛山国際観光局の「訪朝撤去+文書合意」通知(25・29日)の過程で、統一部長官と現代峨山・観光公社代表が公開的に会合を開き膝を突き合わせたのは今回が初めてだ。
キム・ヨンチョル長官は同日午後、政府ソウル庁舎の統一部長官室でアン社長とペ社長に会い、「厳しい状況」だとしたうえで、「互いに情報を共有し、知恵を絞って解決策を模索していかなければならないと思う」と述べた。キム長官は「今後南北当局間、そして事業者と北朝鮮の間で交渉が行われるかもしれないが、それより重要なのは、統一部と事業者がよく話し合うことだ」と強調した。
現代峨山のペ・グクファン社長は、「政府が国民の財産権保護のために、うまく対処してほしい」としたうえで、「政府が対北朝鮮関係や国際関係において多角的かつ積極的に取り組むようお願いしたい」と述べた。観光公社のアン・ヨンベ社長は、「金剛山に進出した企業の財産権も保護し、朝鮮半島観光の活性化に向け、北朝鮮とうまく協議してくださると信じる」と述べた。ペ社長とアン社長は「金剛山観光の再開に向けて取り組んできたが、(北朝鮮の南側施設の撤去要求に)戸惑っている」と語った。
統一部の資料によると、民間企業のなかでは現代峨山が最も多く投資(1億9660万ドル)しており、公企業の観光公社がその次に投資額が多かった。金剛山観光の韓国側2大事業者の望みは、「財産権の保護」という防御策はもちろん、南北を連携させた「朝鮮半島観光の活性化」(アン・ヨンベ社長)という代案まで視野に入れている。危機をチャンスに変えようとする意志の表現だが、現在急がれるのは南北が顔を合わせ考えをすり合わせる場を作ることだ。