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安倍、プーチンと27回目の会談を行ったが大きな成果はなし

登録:2019-09-06 08:39 修正:2019-09-06 10:55
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が5日、ウラジオストクで開かれた首脳会談で安倍首相と握手している=ウラジオストク/タス通信

 「戦後外交の総決算」を掲げてロシアとクリル列島南端4島(日本名 北方領土)返還交渉を進めている日本の安倍晋三首相が、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と27回目の首脳会談を行った。今回も目立った外交的成果を得ることはできなかった。

 安倍首相は5日(現地時間)、東方経済フォーラムが開かれたロシアのウラジオストクでプーチン大統領と首脳会談を行った。会談の冒頭、プーチン大統領は「二国間関係は安定的でダイナミックな形で発展している」と述べたとNHKが伝えた。安倍首相はこれに対して「日ロ平和条約の問題、二国間関係、国際的な課題について意見交換し、未来に向けて論議したい」と応じたと同放送は伝えた。

 しかし、ロシアと日本が領有権の紛争を引き起こしているクリル列島南端4島(択捉、国後、色丹、歯舞)問題に関連した協議の進展をうかがえる発言はなかった。それどころか、プーチン大統領は4日、色丹で開かれたロシア企業の水産加工新工場の起工式に電話で祝いのメッセージを送った。ウラジオストクからビデオ電話で行事に参加する形式だったが、ロシア大統領のクリル列島の島での行事への参加自体が異例だ。ロシアが自国の資本でクリル列島の開発が可能であるという点を日本に誇示しようとした意図と見られる。

 ロシア政府はまた、択捉、国後で500人の兵力が参加する軍事訓練を実施し、その後も周辺海域でロケット発射訓練を続けていた。ドミトリー・メドベージェフ首相は今月2日、択捉を訪問したりもした。クリル列島南端4島はロシア領土であるという点を強調するための歩みである。

 安倍首相は去年11月11月にシンガポールで開かれた首脳会談で、1956年の日ソ共同宣言を基礎にクリル列島南端4島の領有権紛争を解決し、第二次大戦後70年あまり遅延している平和条約の締結を推進することで合意した。そのため今年、安倍首相の最も大きな外交的成果は、クリル列島南端の島の返還問題に対するロシアとの大枠での合意になるだろうという期待もあった。ソ連と日本は1956年に国交を正常化し、「ソ連は(4島のうち)歯舞と色丹を日本に渡す。ただし、実際の引き渡しはソ連と日本が平和条約締結の結論を下した後である」と合意したことがある。

 今年に入り、日本の期待はますます現実から離れている。ロシアはクリル列島南端4島に対するロシアの領有権が「第二次大戦の結果である点を日本が認めなければならない」と非難した。日本がロシアの主権を先に認めた後に返還交渉が可能になるという意味である。

 外交能力を自分の強みとして掲げてきた安倍首相は最近、外交的に他の難しい課題にも直面している。安倍首相は今月末に米国ニューヨークで開かれる国連総会の際に、イランのハッサン・ロウハニ大統領との首脳会談を調整中だ。安倍首相は、米国とイランの関係仲裁のために、今年6月イランを訪問したが、その期間中にホルムズ海峡近隣で日本の船舶会社所属のタンカーなどタンカー2隻が攻撃される事件が発生し、困難な立場に陥りもした。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/908619.html韓国語原文入力:2019-09-05 18:03
訳M.S

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