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ボルトン補佐官「分担金増額・ホルムズ派兵」米国の関心事だけ取り上げ

登録:2019-07-25 10:09 修正:2019-07-25 12:11

 米国のジョン・ボルトン国家安全保障補佐官の今回の韓国訪問は、朝鮮半島をめぐる複雑な外交力学関係を圧縮的に示したものといえる。韓国政府としては、米国が投げかけたホルムズ海峡派兵問題や防衛費分担金増額など難しい宿題を解決しなければならないだけでなく、より根本的には極端な韓日対立の局面で韓米日協力の大きな枠組みを崩さないことを望む米国の要求にも対応しなければならない状況だ。

米国のボルトン国家安保会議補佐官がチョン・ギョンドゥ国防部長官との面談のために24日午前、ソウル龍山区の国防部を訪問している//ハンギョレ新聞社

■訪韓の主な目的は「防衛費分担金の増額」

 大統領府は24日に発表した「韓・米安保室長協議結果の対外発表文」を通じて、中国、ロシアの韓国防空識別区域(KADIZ)侵犯▽朝米交渉▽在韓米軍防衛費分担金▽ホルムズ海峡海上安保▽域内の平和・安定などの議題に関して意見を交わしたと明らかにした。

 ボルトン補佐官の訪韓は、この中でも韓国政府の防衛費分担金の増額に重点が置かれているというのが当局者たちの話だ。政府のある高位当局者は「ボルトン補佐官は事実上、韓米防衛費分担協定のために来た」とし、「米国は防衛費分担がもっと『合理的かつ公正に』行われなければならない」とし、これに対して韓国は「すでに十分貢献している」という趣旨で話を交わした」と述べた。事実上、米国が韓国の防衛費分担金の増額を注文したという意味だ。ボルトン補佐官は、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長に続き、チョン・ギョンドゥ国防部長官との面談の席でも、「韓国がより多くの防衛費を分担しなければならない」という趣旨で話したという。

■「ホルムズ海峡派兵」も要請か

 派兵問題に関し、韓米協議の結果発表文には「ホルムズ海峡での海上安保と航行の自由のための協力案を引き続き協議していくことにした」というレベルで言及された。米国側の派兵要請に韓国が明確に答えなかったと分析される。青瓦台関係者は「今後(派兵問題を)協議しようということであり、どのような結論も下さなかった。国益という観点から様々な状況を考慮して総合的に検討するという水準」だと伝えた。

 ただし、派兵問題は清海部隊の派遣に方向性が決まる雰囲気だ。軍当局はこれまで米国の派兵要請を予想して内部的に検討してきたが、アデン湾海上で海賊からの商船保護任務を遂行する清海部隊の作戦区域をホルムズ海峡に転換する可能性が高いという。米国-イランの対立から米国の肩を持つ形を避けるために、ホルムズ海峡の韓国船舶保護を名分にするということだ。政府消息筋は「ホルムズ派兵についてはかなり検討した。韓国が追加派兵する案もあるが、ひとまず清海部隊を送る方向で検討している」と述べた。

■「韓日対立」には距離を置く?

 関心を集めた米国の韓日対立仲裁の役割については、原論的な水準の対話が交わされたという。大統領府が出した発表文には「韓日関係」という単語がなく、「韓米同盟は朝鮮半島を越えた域内平和・安定のための核心軸であることを再確認」し、「二国間、地域およびグローバルな次元で同盟関係をさらに強化していく」という表現だけが登場する。

 ただし、ボルトン補佐官はこの日、カン・ギョンファ外交部長官と面談する際、半分ほどの時間を割いて韓日関係に関して対話したという。韓国に来る前に日本を訪問したボルトン補佐官が、日本側の立場がどうであるかを伝え、これに対してカン長官は韓国政府の立場を説明したという。これに対してボルトン補佐官は、米国が表に出ない方式で役割をする意向があるが、できることがあれば言ってほしいという趣旨の話をしたという。

ノ・ジウォン、パク・ミンヒ、イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/903238.html韓国語原文入力:2019-07-24 21:45
訳M.C

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