「ゴールデンボール受賞は『世界的選手』として公認されたということだ」(キム・デギル解説委員)
「もう半分くらい来た。2~3年後にはさらに良くなるだろう」(ソン・ギョンソプU-15代表チーム監督)
サッカー専門家たちは、イ・カンイン(18・バレンシア)の2019国際サッカー連盟(FIFA)20歳以下(U-20)ワールドカップ(W杯)のゴールデンボール(MVP)受賞を一大事件として受け入れた。キム・デギル解説委員は「テクニック、キック、ドリブル、試合運営能力などで完璧だった。瞬間スピードと一人で解決する能力さえ補えば、リオネル・メッシは越えられない山ではない」と語った。ソン・ギョンソプ監督も「左足のキック力は成人レベルであり、ボールを扱うセンスと視野が優れている。フィジカルさえ解決してスピードが向上すれば、その時はまた違う世界が開かれる」と予測した。
イ・カンインのゴールデンボール受賞は、韓国サッカー史を書き直した。2010年U-17女子W杯で、ヨ・ミンジがゴールデンボールを、2010年U-20女子W杯でチ・ソヨンがシルバーボールを受賞したことがある。しかし、男子サッカーではホン・ミョンボ大韓サッカー協会専務が2002韓日W杯の時、ブロンズボールを受賞したのが最高の賞だった。
ディエゴ・マラドーナ(1979年)、リオネル・メッシ(2005年)、セルヒオ・アグエロ(2007年)、ポール・ポグバ(2013年)など、U-20W杯・ゴールデンボール受賞者の系譜を継ぎ、これから大選手になる道を開いた。
潜在力は十分に見せてくれた。準々決勝のセネガル戦で放ったペナルティーキックの同点ゴールと、終盤イ・チソルのヘディングゴールのアシスト、準決勝のエクアドル戦でチェ・ジュンの決勝ゴールにつながった素晴らしいパスなどがそうだ。鋭いパスとリズム感を生かした彼の攻撃の調節が韓国の得点の道を開いた。ソン・ギョンソプ監督は「正確な左足キックの弾度と落ちる角度が特別だ。左足のスペシャリストだ」と述べ、キム・デギル解説委員は「2005年にゴールデンボールを受賞した18歳のメッシと比較しても劣らない」と評価した。
イ・カンインは16日(韓国時間)、ウクライナとの決勝戦序盤でペナルティーゴールを決める度胸を見せた。フリーキックとコーナーキックを主に担い、脅威的な場面も演出した。7試合2ゴール4アシストで、アシスト部門で共同1位にのぼった。
しかし、体力のせいかボールを取ると2~3人ずつ包囲してくる相手の守備網をなかなか脱けられなかった。競り合いでも押された。ソン・ギョンソプ監督は「まだ年齢の限界がある。2~3年以内に筋力などフィジカルが強化されれば変わるだろう」と見通した。
3月、Aマッチにイ・カンインを呼び入れたパウロ・ベント監督が、9月に始まるW杯アジア予選からイ・カンインを実戦投入する可能性が高い。W杯の街頭応援で見られるように、イ・カンインに対するサッカーファンの関心も熱い。キム・デギル解説委員は「性格自体が真面目なイ・カンインは、代表チームでもサイドや攻撃的MFを任される可能性がある。韓国が2022カタールW杯本大会に進めば、代表チームの主役になるはず」と予見した。
イ・カンインの所属チームのバレンシアも、ゴールデンボールの受賞で大きくなった彼の位相を実感している。外国メディアは、スペイン1部リーグのレバンテやオランダのアヤックス、PSVアイントホーフェンなどがイ・カンインに関心を示していると報じている。ソン・ギョンソプ監督は「イ・カンインがもっと育つには試合出場が重要だ。レンタルに出てもたくさん走れるところに行くべきだ」と指摘した。