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「漁場の拡大とは名ばかり」…西海5島の漁民ら、海上デモを予告

登録:2019-04-08 06:19 修正:2019-04-08 07:40
西海5島の漁場拡大に伴う初漁日の4月1日、甕津郡延坪面大延坪港から漁に出た延坪島の漁民たちが、拡大された漁場で操業している=仁川市提供//ハンギョレ新聞社

 西海(ソヘ)5島の漁民が海上デモを予告した。西海5島の漁場がソウル汝矣島(ヨイド)面積の84倍ほど増えたが、拡張された漁場までの距離が遠く、事実上操業ができないうえ、従来の操業区域の取り締まりが強化され、操業に被害が出ていると反発したのだ。

 7日、西海5島漁業者連合会などによると、白ニョン島(ペクニョンド)や大青島(テチョンド)、小青島(ソチョンド)などの漁民は10日午前、小青島南方に新しくできたD漁場まで移動し、海上デモを行うと予告した。白ニョン島や大青・小青島の南端にあるD漁場は、4月1日から拡張された全体245平方メートル(汝矣島面積の84倍)の漁場の63%(154.6平方キロメートル)を占める。

西海5島漁場図//ハンギョレ新聞社

 チャン・テホン西海5島漁業者連合会会長(白ニョン島船主協会長)は「新しく拡大された漁場は、白ニョン島や大・小青島から船に乗って往復4~5時間ほどかかり、水深も深く、事実上操業ができない状況」だと主張した。さらに「漁場の拡張後、むしろ操業区域を離れる漁船に対する監視が強化され、被害が拡大している」と付け加えた。

 延坪島(ヨンピョンド)は白ニョン島や大青島、小青島とは事情が少し異なる。延坪島南方の海上にある延坪漁場は、比較的島と近いところで漁場が拡張された。延坪漁場は東側が46.58平方キロメートル、西側が43.73平方キロメートル増えた。パク・ウォ二ル西海5島平和水域運動本部事務局長は「白ニョン島や大青島、小青島の漁民たちはやや不合理な漁場拡張にもかかわらず、西海平和水域の足場を用意するという側面で我慢してきたが、漁場拡張を理由に政府が従来の漁場に対する取り締まりを強化したため、漁民たちが反発している」と説明した。

 白ニョン島や大青島、小青島の漁民らは、既存の漁場のそばで漁場を拡大してほしいと要請したにもかかわらず、政府は北朝鮮が主張する海上境界線などを考慮し、無用の長物であるD漁場を新設したと主張した。このため、質的な操業が可能な漁場の拡大につながるよう、政府に改善策を求めている。

 漁民たちはデモを予告した10日、白ニョン島のヨンギ浦新港で決起大会を開いた後、従来の統一旗(朝鮮半島を描いた旗)に西海5島を描きいれた「西海5島統一旗」をつけて操業区域(漁場)の境界に沿って移動する方式で、抗議の意思を伝える予定だ。西海5島漁業者連合会は今回の海上デモに参加する漁船の数が120隻以上にのぼるものと見込んでいる。

 海洋水産部は、西海5島の「漁業指導の強化」は、漁場拡張に伴う安全と秩序の確立に向けて、国防部の要請を条件付きで受け入れたものだと明らかにした。また、水深も従来の漁場と類似した水準だと釈明した。海水部の関係者は「これまで大青島や白ニョン島などの沿岸地域は、自治体の甕津郡(オンジングン)で漁業指導を行ってきたが、管理が十分に行われなかった。漁業拡大後に国防部の要請で国家漁業指導船が投入された」とし、「操業区域外の不法漁具の設置について啓導した」と説明した。

 一方、大青島の漁民たちは当初、今月6日に仁川(インチョン)の海洋水産庁などを訪れて抗議書簡を手渡す計画だったが、江原道の山火事の被害などを考慮して取り消した。

イ・ジョンハ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/889023.html韓国語原文入力:2019-04-07 20:15
訳H.J

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