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26時間ぶりの外出…金正恩、ベトナム公式訪問日程を消化

登録:2019-03-02 10:12 修正:2019-03-02 12:41
北朝鮮の金正恩国務委員長が1日、ベトナムの主席宮でグエン・フー・チョン主席と握手している=ハノイ/AP 聯合ニュース

 朝米首脳会談の合意が見送られたにもかかわらず、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は1日、予定通りベトナムでの「公式親善訪問」の日程を始めた。前日、ハノイでドナルド・トランプ米大統領との首脳会談が実を結ばずに終わり、ベトナム公式訪問の日程が影響を受ける可能性があるという見通しもあったが、金委員長は計画された日程をこなした。

 金委員長は1日午後3時20分頃、メリアホテルから出て専用車でベトナム主席宮に移動した。朝米合意不発の後、閉じこもって外出しなかった金委員長が26時間ぶりに姿を現わしたのだ。

 ベトナムのグエン・フー・チョン共産党書記長兼国家主席は、金委員長の車の前まで出迎えて歓迎した。両首脳は、社会主義圏の首脳たちの慣習どおり抱擁してあいさつを交わした。ベトナムの子どもが金委員長に花束を渡した。赤いスカーフを巻いた子どもたち数十人がベトナムと北朝鮮の国旗を振った。26時間の沈黙を破って姿を見せた金委員長は、子どもたちの頬をなでながら笑みを浮かべた。続いて、チョン主席と一緒に演壇に上がり、儀仗隊を査閲した。ベトナム政府関係者らとあいさつを交わした時も笑顔を見せたが、朝米合意の不発のせいかむっつりとした表情で気力のない姿も見られた。しかし、その後の行事では徐々に余裕を取り戻したように、にっこりと笑う姿も何度も演出した。

北朝鮮の金正恩国務委員長が1日、ハノイの主席宮の前でベトナムの儀仗隊を査閲している=ハノイ/AP 聯合ニュース

 金委員長は約1時間、チョン主席と二者会談を行なった。午後5時からはグエン・スアン・フック首相、グエン・ティ・キム・ガン国会議長と順番に会った。続いてハノイの国際コンベンションセンターで、ベトナムの指導者や随行員らと晩餐会を開いた。晩餐会場では、グエン・トゥ・トゥイ、バオ・タイなどベトナムの歌手たちが、北朝鮮とベトナムの歌を歌った。ベトナムの人民歌手と呼ばれるバオ・タイは、北朝鮮と特別な縁がある。2012年に平壌(ピョンヤン)で開かれた国際芸術祭で銀賞を受賞した。ベトナム公演団は自国の伝統歌と「アリラン」など北朝鮮の歌3曲を合わせて10曲余りを歌ったと伝えられた。

 北朝鮮最高指導者のベトナム訪問は、金委員長の祖父である金日成(キム・イルソン)主席が1958年と1964年にホー・チ・ミン主席に会いに行って以来、55年ぶりのことだ。今回の訪問をきっかけに、北朝鮮とベトナムは両国関係を社会主義国家間の伝統的な友好関係を越え、実質的な交流・協力ができる関係に発展させる見通しだ。金委員長がベトナムを訪問する直前に平壌を訪れたファム・ビン・ミン副首相兼外相は、「北朝鮮と国家建設、社会・経済発展、国際統合の経験を共有する準備ができている」と明らかにしている。

 金委員長は公式訪問2日目の2日午前9時30分頃、ホー・チ・ミン廟に献花する予定だ。ベトナム独立・統一戦争を導いたホー・チ・ミンは、金日成主席のベトナム訪問1年前の1957年に平壌を訪問している。金委員長は祖父の“同志”の墓に参拝することになる。金委員長はこの日10時ごろ、専用車でベトナム北部地域のランソン省ドンダン駅に移動した後、専用列車に乗り換えて帰国の途に着く予定だ。

ハノイ/ノ・ジウォン、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/884221.html韓国語原文入力:2019-03-01 21:56
訳M.C

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