文在寅(ムン・ジェイン)大統領が18日、3回目の南北首脳会談のため、平壌(ピョンヤン)を訪れる。2000年の金大中(キム・デジュン)元大統領と2007年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領に続き、韓国大統領としては3番目の訪朝だ。2泊3日の日程中、文大統領は“旧知の仲”である北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と単独首脳会談をはじめ、昼食会や晩さん会、歓迎行事などで、少なくとも4~5回は会うものとみられる。
■金委員長は文大統領をどう迎えるか
最大の関心事はやはり文大統領と金委員長が平壌のどこでどのように会うかだ。文大統領は18日午前、大統領府を出て専用機に乗り込み、西海直航路を通じて平壌順安(スナン)国際空港に到着する。南北首脳は空港で対面を果たすものとみられる。金委員長は、今年4月の板門店(パンムンジョム)会談当時、「飛行機でいらしたら、空港で歓迎式典を行う。きっとそうなるだろう」と述べた。この式典では、文大統領の北朝鮮陸軍・海軍・空軍儀仗隊の査閲と共に、平壌の住民らによる歓迎行事が開かれるものと予想される。4月、板門店首脳会談の際も、平和の家の前で金委員長が韓国陸軍・海軍・空軍の儀仗隊を査閲した。2000年の首脳会談当時も、金大中元大統領は順安国際空港で金正日(キム・ジョンイル)総書記の出迎えを受け、北朝鮮の儀仗隊を査閲しており、歓迎式行事後、金正日総書記は自分の車に金元大統領を乗せて宿泊先まで同行する“破格”を演出した。2007年、陸路で訪朝した盧元大統領は、平壌市内の人民文化宮殿で、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長の出迎えを受けた後、オープンカーに乗って20分ほど平壌市民の歓呼の中で歓迎行事を終えてから、午後に平壌4・25文化会館で金正日総書記と対面した。盧元大統領と金委員長は、この時も北朝鮮軍の儀仗隊を査閲した。
■文大統領は「輝く祖国」観覧するか
文大統領の宿泊先としては百花園迎賓館が有力だ。金元大統領と盧元大統領もここに泊まった。南北首脳会談も同じ場所だった。金正日総書記は二回とも南側首脳の訪朝翌日、百花園迎賓館を訪れて首脳会談を行った。金正恩委員長が父親の前例にならって百花園迎賓館で首脳会談をするかは不透明だ。金委員長は、南側特別使節団の二度目の訪朝の際、自身の執務室がある北朝鮮労働党本部庁舎で彼らと面会した。このため、今回の南北首脳会談が労働党庁舎で開かれる可能性もあるとみられている。
北朝鮮が、文大統領のためにどのような文化公演行事を用意するのかも注目される。2000年、金元大統領は到着当日、万寿台芸術劇場で伝統舞踊と器楽曲を中心に構成された「平壌城の人々」という公演を観覧した。盧元大統領は、訪朝翌日の2007年10月3日午後、綾羅島5・1競技場で「アリラン」公演を観覧した。北朝鮮側は、当時金日成(キム・イルソン)主席親子に対する賞賛の掛け声や北朝鮮軍の銃剣術の場面など、理念性を強調した敏感な部分はほとんど除外した。一部では、北朝鮮が集団体操の公演である「輝く祖国」の観覧を勧める可能性もあるとみられているが、北朝鮮政権の樹立を強調する内容が盛り込まれている公演の観覧を大統領府側が受け入れるかは不透明だ。牡丹峰(モランボン)楽団の公演や三池淵(サムジヨン)楽団の公演を観覧する可能性もある。
■「第2の徒歩橋」イベントはあるか
両首脳が首脳会談のほかに、昼食会や晩餐をはじめ、どのような親睦行事を行うかにも関心が集まっている。4月の板門店会談当時、両首脳が膝を交えた徒歩橋の会談は、首脳会談の白眉に挙げられた。一部では、文大統領が4月の首脳会談で言及した白頭山(ペクトゥサン)や蓋馬(ケマ)高原のトレッキングと関連したサプライズイベントが演出される可能性もささやかれている。当時、文大統領は「まだ叶えていない夢があるが、白頭山と蓋馬高原をトレッキングすることだ。金委員長がその願いを必ず実現させてくれると信じている」とし、「私が退任したら、白頭山と蓋馬高原の旅行券を一枚送ってくれませんか」と述べた。
また、文大統領が現場訪問をする場所にも注目が集まっている。2007年、盧元大統領は訪朝最後の日の10月4日、歓送昼食会の前に平安南道南浦(ナンポ)の平和自動車工場と西海閘門を訪問した。南北経済協力と西海平和地帯の構想への意志を込めた日程だった。文大統領が東アジア鉄道共同体と統一経済特区の新設に言及したことから、今回の訪朝でこれと関連した場所を訪問するものとみられている。
一方、今回の訪朝で、文大統領の警護は2007年に盧元大統領の訪朝に準じて行われるものと予想される。当時、盧元大統領の身辺警護は大統領府警護室が担当し、周辺警護は北側が行った。2000年の金元大統領の訪朝当時も、両首脳がともに登場する現場では、北朝鮮護衛総局所属の警護員6~7人と南側警護員4~5人が身辺警護を行った。