警察が国軍機務司令部(現・軍事安保支援司令部)と法務部などに貸し出し、個人情報を照会することができる「オンライン照会端末」が、これまで管理・監督の死角地帯に放置されていた事実が4日、後れて明らかになった。特に、機務司令部が過去3年間に照会した住民、犯罪経歴、手配、車籍、運転免許、公安、保安など個人情報は237万件にのぼることが分かった。
同日、ハンギョレが共に民主党のホン・イクピョ議員を通じて確保した警察庁の「オンライン照会端末機使用機関点検結果」によると、警察は機務司令部のセウォル号遺族査察などが明らかになったことを受け、7月25~31日に個人情報照会のためのネットワークを使用させた機務司令部など12の機関に対する実態調査を行った。ここには国防部(陸軍憲兵団、海軍憲兵団、陸軍本部高等検察部)、海洋警察庁(情報通信課)、法務部(ソウル出入国外国人庁)、雇用労働部(ソウル雇用労働庁)、大統領警護処、関税庁(ソウル本部税関)、ソウル市(民生司法警察)、国土交通部(特別司法警察)、検察(ソウル中央地検)などが含まれた。
警察庁の調査の結果、これら機関の個人情報の照会に対する管理・監督が、事実上放置レベルだったことが明らかになった。機務司令部の場合、警察が貸し出した端末機1個のIPを任意に分割してすべての端末機に使用し、海上警察、法務部も警察が与えた端末機の数と実際の使用数が一致しなかった。国防部は責任者が確認点検を放置していた。警察は機関の要請がある場合「オンライン照会運営協議会」を通じて承認可否を決定する。犯罪捜査や裁判、公務員任用など身元照会の目的をはじめ、関連法(刑の実効などに関する法律など)によって必要性の有無を検討し、許容を決定する。必要性があるとしても、厳しい基準のもとで管理されなければならないが、これらの機関は実際には無分別に個人情報を利用していたことが分かった。
その代表的な例が機務司令部だ。機務司令部は2015年8月から今年7月まで約237万件(重複を含む)の個人情報を照会した。警察は1981年12月から機務司令部に端末を提供していると明らかにしたが、これを許可した「公文」が残っていなかった。40年近く機務司令部に国民の個人情報の照会権限を与えながらも、情報提供範囲や方式についての議論は事実上なかったということだ。
このように、機務司令部が死角地帯に放置されていた間、“便法”も使われた。機務司令部は、警察が提供した1個のIPを分割してすべての端末機(30個)に使用していた。機務司令部が3年間で237万件という膨大な個人情報を簡単に照会できたのも、そのためではないかという疑念を抱かせる。機務司令部が記録した個人情報照会の目的を見ると、「500部隊の電算照会」「民間人の基地出入り認可」など曖昧に記載したものが大半だった。また、オンライン照会記録は3年間だけ保管され、過去の資料は自動的に削除されて以前にはどのような目的で個人情報を照会したのか資料さえ残っていなかった。これと関連して警察関係者は「分割使用禁止などの明確な規定はないため、今までの使用が規定違反だとは言い難い。機関ごとに事情が異なり、具体的な指針を設けるのが難しく、警察が指針を定める権限がない。ただ、各機関と個人情報の照会の誤用・乱用を防ぐための協議などを現在進行中」と話した。
ホン・イクピョ議員は「警察の明白な職務遺棄だ。法に基づいた厳格なアクセスおよび事前または事後監督が行われるよう、政府が対策を設けることにする」と明らかにした。