「スティーブ・ビーガンに注目せよ」
マイク・ポンペオ米国務長官が23日(現地時間)、新対北朝鮮政策特別代表としてスティーブ・ビーガン・フォード自動車国際担当副会長(55)を指名したことを明らかにすると、韓米の外交街からこのような反応が出た。非核化と相応措置に関する対北朝鮮実務交渉を担う専担者として、彼の今後の役割と比重が非常に大きいということだ。ビーガンはこの日、2月に引退したジョセフ・ユン前特別代表の後任者に任命された。
ビーガン特別代表は、フォード自動車で14年間主要幹部として働く前まで、共和党行政部と議会でキャリアを積んできた保守性向の外交・安保専門家だ。彼はジョージ・W・ブッシュ行政府で当時コンドリーザ・ライス国家安保大統領補佐官の参謀、フリスト元共和党上院院内代表の補佐官を務めた。2008年の大統領選挙ではジョン・マケイン共和党大統領候補の外交諮問役を務めており、米上院・下院外交委員会でも働いた。トランプ行政府では3月、ハーバート・マクマスター国家安保大統領補佐官が辞任した後、後任に名前が挙がったこともある。彼は31日、フォード副会長職を辞職する。
ビーガンを新北朝鮮政策特別代表に任命したポンペオ長官は、この日記者会見で「ビーガンは外交政策と劣悪な交渉環境での幅広いキャリアを持っている」とし、フォード副会長時代、外国政府を相手にした経験などを長所に挙げた。
ビーガン特別代表はこれまでトランプ行政府と対外政策に関して疎通してきたという。特にポンペオ長官と息が合うかが重要に考慮されたという。ヘザー・ナウアート国務省報道官はこの日のブリーフィングで「ポンペオ長官はビーガンを気安く思っており、ビーガンも十分な自信を持っている」と話した。そのため、ドナルド・トランプ大統領とポンペオ長官の志向を忠実にサポートできるだろうというのが、外交筋の観測だ。一部では、対北朝鮮政策で「ポンペオ‐ビーガン」ラインにさらに力が加わり、“タカ派”のボルトン国家安保補佐官の立場が相対的に狭まるという見通しも出ている。
ビーガン特別代表は、北朝鮮問題を集中的に扱った経験は多くないという。しかし、彼とともに1990年代後半、上院外交委員会の補佐陣として働いたマンスフィールド財団のフランク・ジャヌージ代表は「自由アジア放送」(RFA)とのインタビューで「ビーガンはアジア専門家ではないが、米朝の非核化交渉の成果である(1994年10月の)『ジュネーブ合意』と関連して1990年代末から深く関与し、北朝鮮核問題に精通している」と評価した。
ビーガン特別代表は記者会見で「このこと(北朝鮮の非核化)の重要性を十分に理解している。問題が簡単ではなく、解決することも厳しいだろう」とし、「北朝鮮の人々の平和な未来ビジョンのためにあらゆる機会をつかまなければならない」と話した。