7月から労働時間を週52時間に減らし、労働者を新たに採用した企業は、新規採用人員一人当たり月最大100万ウォン(約10万円)の人件費を政府が支援する。労働時間の短縮にともなう賃金減少分を補填した企業に対する支援も拡大する。
政府は17日、政府ソウル庁舎で李洛淵(イ・ナギョン)首相の主宰で国政懸案点検調整会議を開き、「労働時間短縮の現場定着支援対策」を発表した。これは週最長労働時間をこれまでの68時間から52時間に減らす内容の労働基準法改正案が2月国会を通過したことに伴う後続対策措置だ。
今回の政府対策によると、政府は現行の「雇用を共にする事業」を拡大し、労働時間の短縮を積極的に実践する企業に対する支援を強化することにした。雇用を増やした企業には、新規採用人件費と在職者の賃金補てん費用を「さらに多く、さらに長く」支援することが主な内容だ。
まず、7月から「週52時間」を適用しなければならない300人以上の事業場に対しては、新規採用人件費支援金額をこれまでの月40万ウォン(約4万円、一人当たり)から60万ウォン(約6万円)に引き上げる。労働時間の短縮で「仕事をする人」が減れば、それだけ人を新たに採用せよという趣旨だ。
300人未満の事業場に対する政府支援も強化される。これらの事業場は、2020年から週52時間を適用すれば良いが、もしそれより6カ月以上早く労働時間を短縮すれば、新規採用一人当たり既存の月80万ウォンから100万ウォンの人件費が支援される。支援期間もこれまでの最長2年から3年に延長される。同様に、これらの事業場に対する「賃金補てん支援」期間も最長3年に延長した。事業主が労働時間短縮により減った労働者の「実質賃金」を埋めるならば、最長3年間にわたり月最大40万ウォンずつ政府が支援する。
また政府は、労働時間の短縮で平均賃金が減り、それによって退職金まで減少すると予想されるならば、退職金を中間精算できるようにする方針だ。退職金は、退職前3カ月の平均賃金を基準とするが、労働時間の短縮で超過勤労手当てが減れば平均賃金も同時に減ることになる。
弾力的勤労時間制(弾力勤労制)改善策が今回の対策に含まれたことは、論議を招いている。弾力勤労制は、特定勤労日の労働時間を増やせば他の勤労日の労働時間を減らし、一定期間(2週または3カ月)の平均労働時間を定められた限度に合わせる内容だ。政府は2月、労働基準法改正と共に労働時間特例業種から外れた「特例除外業種」を対象に、弾力勤労制を積極的に活用する態度だ。
これに対して韓国労総は「特例業種の縮小にともなう対策として政府が出した弾力勤労制などの対策は、労働時間短縮効果を無力化しかねない。果たして政府に労働時間短縮の意志があるのか問いたい」と明らかにした。民主労総は「良質の雇用創出と労働条件改善のための対策でなく、もっぱら使用者への便宜提供のための対策」と指摘した。