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サムスン電子イ・ジェヨン副会長の“親政体制”構築が本格化

登録:2017-10-31 23:54 修正:2017-11-01 07:55
サムスン電子=イメージ//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子が31日、3大事業部門の代表をすべて50代に交替し、今後の大規模な社長団人事を予告した。史上最高実績が続いているにもかかわらず交替を断行したことは、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長の“親政体制”を本格化するためと見られる。

 13日、サムスン電子のクォン・オヒョン副会長(半導体部門長)が退陣の意向を明らかにし、後任の理事会議長とユン・ブクン(家電部門長)、シン・ジョンギュン(モバイル部門長)社長らの交替有無に関心が集まっていた。デジタル急変期に新しい人物が必要だという意見と、イ副会長の不在の中での組織の急激な変化は望ましくないとの意見が交錯した。2012年に定着した「3大部門各自経営体制」自体が変わるかも知れないという見方もあった。

 サムスンは、世代交代を通した大きな変化を選んだ。サムスン電子は説明資料で「今回の人事が組織を刷新し活力を与えると同時に、不確実な経営環境に一層能動的に対処する契機になると期待する」と明らかにした。内定したキム・ギナム(59)半導体(DS)部門長(59)とキム・ヒョンソク家電(CS)部門長(56)、コ・ドンジンモバイル(IM)部門長(56)は全員が50代後半だ。3部門長はそろってサムスン電子を初の職場とし、各分野で専門分野に強い工学部出身のエンジニアだ。実力が検証された人々として、後任部門長としても早くから議論されていた。

 しかしサムスン電子が今回の人事で狙った効果は、世代交代に限定されはしないと見られる。まず今回の人事で、イ・ゴンヒ会長の影から抜け出し「イ・ジェヨン色」を打ち出せる土台を用意した。クォン・オヒョン-ユン・ブクン-シン・ジョンギュンの3人の既存部門長は、すべてイ会長が倒れた2014年以前に任命され、5~6年にわたりその席を守ってきた。イ副会長は現在拘束状態にあるが、果敢な人事を断行することによって今後の親政体制を通じて経営を取りまとめる意志を役職員に刻印させるものと見られる。

 チェ・スンシル-朴槿恵ゲートとの断絶効果を得ることもできる。従来の部門長は朴槿恵政府初期に任命され、サムスン電子経営の主軸を受け持ってきた。文在寅政府はもちろん、株主、一般国民にも新しい人で“換骨奪胎”した姿に映るようになる。

 だが、旧未来戦略室出身であるイ・サンフン経営支援室長(CFO、62)が新しい理事会の議長に内定するなど、2月にサムスンが明らかにした経営刷新案とは距離があるという批判もある。経済改革連帯のカン・ジョンミン研究委員は「今回の改編は、代表理事と理事会を中心に自律経営するという2月の発表内容とは距離がある」と評価した。一方、サムスン電子側は「イ・サンフン議長は経営支援など実務からは手を引き、理事会議長の役割だけを遂行する」として線を引いた。

 サムスン電子はこの日、第3四半期実績と大規模配当を中心とする株主還元政策も発表した。営業利益が14兆5000億ウォン(約1兆4500億円)を超える史上最高の四半期実績だ。特に来年からの3年間、毎年最低9兆6千億ウォンずつ28兆8千億ウォン(約2兆8800億円)を株主に現金で還元することを約束した。昨年は4兆ウォンを還元し、今年は4兆8千億ウォンを使う計画だ。サムスン電子は「最近、好実績が持続できるように技術力と戦略投資で会社の競争力と収益性を高め、株主還元政策も併行することで株主価値を向上させていく」と明らかにした。

 しかしサムスン電子の成果配分が株主だけに限定されてはならないという指摘もある。ハイ投資証券のイ・サンホン研究員は「サムスン電子の史上最高実績には、社会的寄与が大きかった」として「サムスンは株主還元にとどまらず、雇用拡大など社会的責任にも神経を使わなければならない」と話した。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/816894.html 韓国語原文入力:2017-10-31 20:45
訳J.S(1832字)

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