朴槿恵(パク・クネ)大統領がチョ・ウォンドン元大統領府経済首席秘書官を通じて、CJグループのイ・ミギョン副会長の経営一線からの退陣を指示したことが明らかになった。検察は11日、2カ月間の捜査を終え、キム・ギチュン前大統領秘書室長とウ・ビョンウ前民政首席秘書官の追加捜査が必要だとし、関連捜査記録をパク・ヨンス特検チームに渡した。
「チェ・スンシル国政壟断」を捜査した検察特別捜査本部(本部長イ・ヨンヨル)はこの日、チョ元首席秘書官が2013年7月頃、朴大統領の指示を受けCJグループのソン・ギョンシク会長に捜査などを言及し、イ副会長を経営の一線から退かせるよう強要した疑い(強要未遂)が分かったと発表し、チョ元首席秘書官を在宅起訴した。検察は朴大統領がチョ元首席秘書官と共謀関係にあると明らかにした。朴大統領はチョ元首席秘書官にソン会長の大韓商工会議所会長の辞任も指示したが、チョ元首席秘書官はイ副会長の退陣だけを要求したことが分かった。これで朴大統領の容疑は、サムスンなどにミル・Kスポーツ財団への拠出金を出すよう強要した疑い(職権乱用権利行使妨害)と、チョン・ホソン前大統領府秘書官を通じてチェ・スンシル氏に長官人事資料などを渡した疑い(公務上秘密漏洩)など計8件に増えた。
検察は朴大統領がSKのチェ・テウォン会長、ロッテグループのシン・ドンビン会長にミル財団などに追加拠出を強要したことと、サムスンがチェ氏親子に80億ウォン(約7億9千万円)を支援したのは、第三者供賄罪の疑いがあるとみて、捜査記録と証拠資料を特検に渡した。検察はまた、チェ・スンシル氏(拘束起訴)が2013年3月から11月の間にイ・ヨンソン大統領府行政官の車に乗って10回にわたり大統領府を無断で出入りしたと明らかにした。
検察は捜査の過程で、チョン前秘書官の携帯電話の録音ファイル236件を復元し、510ページに及ぶアン・ジョンボム前大統領府政策調整首席秘書官の手帳17冊を確保した。チョン前秘書官の携帯電話の録音ファイルの中で、朴大統領、チェ・スンシル氏、チョン前秘書官が一緒に大統領就任演説を準備するなど「三者対話」を録音したファイルも11件確認された。2015年1月から2016年10月までに作成されたアン前首席の手帳には、大統領府の会議内容と大統領の指示事項が詳しく書かれていることが確認された。
この日捜査を終結した特別捜査本部は、チェ・スンシル氏からキム・ジョン前次官まで計11人を起訴した。検察が突き止められなかった朴大統領の収賄容疑と、サムスンなど財閥の贈賄容疑、チェ氏の娘チョン・ユラ氏の梨花女子大学不正入学疑惑、そして朴大統領の「セウォル号7時間」職務遺棄の容疑などは特検の役割として残ることになった。