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「花が散っても忘れられなどしない」檀園高校の記憶教室、今日から公開

登録:2016-11-22 00:24 修正:2016-11-22 05:57
セウォル号惨事前に檀園高の生徒と教師が使用していた教室と職員室を臨時移転して再現した「檀園高416記憶教室」が安山教育支援庁の別館に設けられ21日公開された。2年3組を再現した教室に当時使われていたカレンダーがかけられている=安山/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 セウォル号の惨事で犠牲となった京畿道安山市(アンサンシ)檀園(ダンウォン)高校の教師と生徒たちを記憶する「416記憶教室」が21日、市民に公開された。5月に4・16家族協議会と教育庁などが檀園高校から安山教育支援庁別館に移転することで合意し、移動してから92日ぶりだ。記憶教室は教育支援庁の別館1、2階に設置された。

 檀園高2年生の教室10室と教務室1室で構成された記憶教室は、2014年4月16日、セウォル号惨事当時犠牲となった生徒と教師が使っていた机や椅子、黒板はもちろん窓や教室のドアまでそのまま移された。

 遺族の涙はいまも止まらない。教務室で会ったキム・ソンウクさん(58)は、期間制の教師として勤務し惨事に巻き込まれた長女キム・チョウォンさん(化学教師)の机から目を離さずに「娘のことを一日に何百回も思い出す」と涙をにじませた。彼は「場所が狭く、まだ本も移動されていない」と残念がった。2年3組の教室を訪れ、娘の机の上のほこりを拭いていたチョン・ミンジュさん(46)は「檀園高に行く度に(空いたままになっている教室のために)周りの目を気にして辛かった。私たちだけが(学校に残してくれと)勝手を言うこともできなかったが、今は楽な気持ちでここに来られる」と話した。

 怒りによる苦痛はさらに膨らんでいた。朴槿惠・チェ・スンシルゲートと、依然として不明な惨事当日の大統領の行跡のためだ。2年9組の教室で娘の椅子に座っていたパク・ジョンファさん(50)は「娘は泳ぎが上手だった。事故現場に行ってみると、東巨次島(トンゴチャド)まで近かった。事故の時、海洋警察が子どもたちに船から出ろとさえ言ってくれればよかったのに…。大統領が2時間、他のことをしている間に子どもたちは死んでいったのではないか。大統領、あの人は人でなしだ」と語った。記憶教室は2019年5月に檀園高校の隣に「416民主市民教育院」が建てられ永久移転するまで、ここで臨時運営される。

 4・16記憶貯蔵所のキム・ジョンチョン事務局長は「記憶教室は子どもたちの息づかいが感じられるよう、子どもたちの空気や子どもたちの心をこの空間に持ち込みたかった両親たちの思いに添って具現された。犠牲となった250人の生徒たちと11人の教師たちを暮らしの外に追いやるのではなく、彼らの魂を私たちの暮らしの中に取り込み、共に生きていく出発点になるだろう」と語った。ここを訪れる人々のための「記憶巡礼」プログラムなどさまざまなプログラムも運営することにした。記憶教室は平日午前9時から午後6時まで、土曜日午前10時から午後5時まで開放する。日曜日と祭日は事前に予約を受け付ける。

ホン・ヨンドク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/771294.html 韓国語原文入力:2016-11-21 21:49
訳M.C(1489字)

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