水西(スソ)から出発する新しい高速鉄道SRT(エスアールティ)が今年12月初旬から運行される。SRTは、京釜(キョンブ)線(水西~釜山(プサン))と湖南(ホナム)線(水西~木浦(モクポ))を走ることになる。2004年にKTXが開通した後、12年ぶりにもう一つの高速鉄道が登場する。
国土交通部は2日、ソウル水西駅から忠清北道五松(オソン)駅までの試乗会を行った。SRTの出発駅である水西駅は、ソウル地下鉄3号線、盆唐(プンダン)線と地下通路でつながっている。地下鉄から降りSRT乗り場までは5分足らず。水西駅を出発した高速鉄道は、東灘(トンタン)駅を過ぎ芝制(チジェ)駅までの56.9キロメートルはトンネルの中を走った。窓の外の風景は全く見えず、約20分間暗闇の中を走り、まるで高速地下鉄に乗ったようだった。一部の乗客は息苦しさを感じるかもしれない。東灘駅はSRTの開通で新しく作られた駅舎だ。乗り場には地下鉄のようにホームドアも設置されている。高速鉄道でホームドアを設置するのは初めてだという。東灘駅の線路は今後SRTと広域急行鉄道(GTX)が共同で使う。三成(サムソン)~東灘間の39.5キロメートル区間を運行するGTXは2021年に開通する予定だ。
SRTは平沢(ピョンテク)のある地点で現在KTXが通っている京釜線に合流する。SRTは、1日に京釜線40回、湖南線20回の計60回運行される。距離が短く、KTXより目的地に7~8分早く到着でき、運賃は平均10%ほど安い。
SRTの外観はKTXと似ている。しかし車両の色や内部施設には若干違いがある。SRTには白地に小豆色のストライプがある。内部施設は、スマートフォンの充電やノートパソコンの使用が可能なように座席ごとにコンセントが設置されている点が目を引く。無線インターネットも円滑に使用でき、KTXと比較すると足を伸ばせるスペースが5.2~5.7センチ広いため便利だ。何よりも、障害者、妊婦、高齢者など社会的弱者を優先的に乗せる車両(4号車)を別途用意している点が特徴だ。この車両には頭をもたれさせることができる「ヘッドレスト」も設置されている。地下鉄の優先席と同様に自発的な参加を誘導する予定だ。列車の連結車両にあるトイレは全て男女別で、一部の車両には授乳室もある。
SRTの開通は今まで紆余曲折もあった。当初は昨年末に開通する予定だったが、「軟弱地盤問題」でトンネルに亀裂が生じ、今年8月の開通からさらに12月初旬に延期された。水西~東灘区間が地震の危険のある新葛(シンガル)断層だということが明らかになり、安全問題も議論になった。新葛断層は、過去に地震が発生したことがあり、今後地震が再び起きる可能性がある活性断層に分類される。これに対し韓国鉄道施設公団の関係者は「SRT区間は耐震1等級(リヒタースケール6.0水準)を適用して設計、施工したため、安全性に問題はない」と話した。