政府はセウォル号船体引き揚げのために船尾にリフティングビーム(引き揚げのための添え木)を設置する作業方法を変えることにした。当初、船尾の下に溜まった堆積物をなくしリフティングビームを1本ずつ差し込む方法から、船の後尾を少し持ち上げてビームを設置する方法に変更される。
海洋水産部は31日、政府世宗(セジョン)庁舎でブリーフィングを開き、「不規則な堆積層により掘削装備の軌道がずれたり、すでに掘り出した区間が崩れて再び掘削が繰り返された」と述べ、「現在の方法を持続することは不可能と判断した」と明らかにした。
セウォル号の引き揚げは、船首に18本、船尾に8本のリフディングビームをそれぞれ挿入したあと、ワイヤーを連結し、クレーンで持ち上げた船体をフローティングドッグに載せて木浦(モクポ)港に据え置く方法で進められてきた。上海サルベージは7月末に船首作業を終えて船尾工程を始めたが、リフティングビーム8本のうち2本だけ設置を完了した状態だ。
海洋水産部と上海サルベージは、船尾に入れるビームを8本から10本に増やし、3本のビームを掘削方式で追加設置した後、船尾を持ち上げて残りの5本を同時に差し込む計画だ。海洋水産部は11月末か12月初めに船尾持ち上げを行う予定だと明らかにした。政府はセウォル号の引き揚げは年内に可能と主張しているが、事実上厳しいというのが大方の意見だ。