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THAAD配備で水泡に帰す朴大統領の親中外交

登録:2016-07-10 23:47 修正:2016-07-11 07:23
朴槿恵大統領が昨年9月3日、北京の天安門広場で開かれた「中国抗日および世界反ファシスト戦争勝利70周年記念大会」で習近平主席(右端)と共に参観している=北京/イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パククネ)大統領が2013年の就任以後、最も多く会った首脳は中国の習近平国家主席だ。大統領当選者時期に最初に特使を送った先も中国だったし、就任初年度の2013年6月から今年3月31日までに計7回の首脳会談を開いた。昨年9月には韓国が中国に片寄っているという米国内の不快な視線にもかかわらず、米国の友好国としては唯一、中国が「軍事崛起」(軍事的に聳え立つこと)を宣言する戦勝節閲兵式に参加した。朴大統領の「精魂込めた中国外交」は、親米一辺倒との批判を受けた李明博(イミョンバク)大統領との差別化を図ると同時に、北朝鮮問題と関連して中国の協力を得る意志の表現と解釈されてきた。だが今月8日、韓米が高高度防衛ミサイル(THAAD<サード>)を在韓米軍に配備することを最終確定したことに中国が強く反発し、朴大統領の対中国外交も新たな局面を迎えることになった。

 大統領府は、THAAD配備は国益を最優先にした避けられない決定とし、こうした立場を中国側に伝達して説得する方針だと明らかにしている。大統領府関係者は「北朝鮮が挑発に出た場合、最大の被害者は韓国と我が国民」とし「国民の生命と安全を守るための自衛的防衛措置としてTHAAD配備を決めた」と強調した。朴大統領は15~16日にモンゴルのウランバートルで開かれるアジアヨーロッパ首脳会議(ASEM)で、中国の李克強首相に会い、韓国の立場を伝え「了解」を求めるものと見られる。

 だが、中国がTHAADに対して「強烈な不満」を表明している状況で、朴大統領が使えるカードは見当たらない。韓国が中国との「一般的国家関係」の代わりに韓米同盟を選択したことが、中国にしてみればこれまでの韓中協力関係を懐疑的に見直す契機になると憂慮される。北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「観光や韓流遮断など、中国の非公式貿易報復に対して韓国政府の対処方案が見当たらない」として「中国が当分は韓国との首脳会談を拒否する可能性もある。今回のTHAAD配備は韓国の自縄自縛」と評価した。

チェ・ヘジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/751708.html 韓国語原文入力:2016-07-10 20:04
訳J.S(1185字)

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